今回は、中国上海における外国籍従業員の社会保険加入について、取り上げます。
1.中国における外国籍従業員の社会保険加入の義務化
2011年に制定された「中華人民共和国社会保険法」の施行に伴い、外国籍従業員の社会保険加入が義務化されました。
現在の上海の社会保険の料率は以下のとおりです。
会社負担 個人負担
養老保険 16% 8%
医療保険 8.5% 2%
失業保険 0.5% 0.5%
工傷保険 0.256%
生育保険 1.5%
2.日中社会保障協定
2019年に日中社会保障協定が締結され、申請を行った場合、赴任後5年間は年金部分(養老保険)について、日本と中国での二重加入が回避できることになりました。そのため、駐在員は、通常、日本で年金制度に加入しており、中国での養老保険への加入を回避可能です。
なお、5年経過後も、延長申請が可能で、認められれば延長可能となります。
3.徴収主体の変更
2019年に社会保険料の徴収主体が社会保険局から税務局に移管されました。この変更により社会保険料の対象となる給与の把握が容易になり、徴収の強化が進んでいます。
4.上海のこれまでの状況
上記1の施行後、上海では社会保険加入について、厳格な運営はされていませんでした。当初、当局に確認すると、加入希望者は加入を認める、という回答があったほどです。しかし、最近は当局に確認すると、当然加入が必要、という回答が一般的になっています。
日中社会保障協定の施行に伴い、年金部分の二重加入が回避できるため、負担感は軽減されましたが、外国籍従業員が社会保険加入している現地法人は依然として少数派の状況です。
5.2026年以降の状況
2026年1月分の個人所得税の申告において、中国の居住者で社会保険の入力がない場合、エラーメッセージが表示されるようになっています。(申告は可能です。)
これらの状況から、2026年以降は、上海でも外国籍従業員の社会保険の加入が強く要請される可能性が高まっています。今後当局の対応がさらに厳格化することも予想されるため、外国籍駐在員については、年金制度の二重加入を回避するための適用証明書申請の準備を始めることが賢明でしょう。
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