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台湾の営利事業所得税(=法人税等)の最新税率について

2017.10.06
株式会社グローバル・パートナーズ・コンサルティング

台湾の営利事業所得税(=法人税等)の最新税率について

 近年、台湾当局の規制緩和、ますます活発化する日台交流に伴い、台湾進出のご検討をなされている日本企業は多くいらっしゃるかと思います。初回のコラムは台湾の営利事業所得税について簡単に紹介したいと思います。

 ここ数年間、台湾の「営利事業所得税(日本の法人税等相当)」は数回にわたって、従前の25%から20%、さらに17%まで引き下げました。そもそも、台湾政府が法人税率を下げる理由は、近隣の中国(25%)、香港(16.5%)、シンガポール(17%)に比べて、台湾の法人税率は高いイメージが強いからです。国内企業の競争力低下、外国資本がアジア地域進出を検討する際、拠点(子会社、支店等の設立)候補地から外される欠点の救済政策として打ち出されました。17%であれば、日本企業にとってタックスヘイブンにもなりますが、実は台湾において、法人は営利事業所得税の他、内部留保の10%追加課税制度もあるため、進出を検討する際、注意事項として念頭に置くべきです。

 台湾では2000年以降「内部留保の10%追加課税」の税制を導入しているため、実質上の法人税負担はより高くなり、会計処理及び税務申告等の手続きも煩雑になります。日本の皆さんにとって「内部留保の10%追加課税」という聞きなれないルールについて、「これって二重課税ではないか?」「内部留保が減り事業拡大にはふりではないか?」等の質問はたくさん出るかと思います。まずはこの内部留保の追加課税について簡単に説明します。

 台湾では、前年度の利益剰余金(Retained Earnings)について下記各項を控除した後の金額に対して、さらに10%の法人税を徴収します。

  1. 過年度繰越欠損金の填補
  2. 該当年度の株主配当分
  3. 会社法等規定に基づき計上した剰余金
  4. 外国との条約による特別積立金
  5. 会社定款による当該年度の役員報酬、賞与、従業員賞与の支払分
  6. その他当局規制の特別積立金
  7. 法令に基づき資本剰余金へ振替分
  8. その他財政部の許可を得た留保分

(台湾所得税法第66条の9・所得税法施行細則第48条の10)

 二重課税の問題を解決するため「二税合一」という制度を採用しています。追加徴収された10%の法人税について、将来この分の利益剰余金を株主に配当する際、株主の個人総合所得税額より控除することができます。また、具体的に今後の事業拡大計画、研究開発計画、設備投資計画を明示できれば、追加課税も発生しません。つまり、何の計画もなく、使い道もない資金だけに対して追加課税を行います。

 しかし、この17%の法人税率を20%に戻す動きが今年の秋に入って、当局から出ています。2015年度より17%の税率が適用され、まだ2年も経っていませんが、今年10月5日の行政院会議では営利事業所得税率を20%に戻し、一方内部留保の追加課税を5%に引き下げる、という政策方針が打ち出されています。まだまだ先の行方が不明瞭ですが、17%はいつまで維持できるか、20%に戻した後、優遇措置として17%適用の特例を設けるかどうかの議論も浮上してきます。今後の動きに注目したいと思います。

弊社は日本企業の台湾進出、台湾企業の日本進出、双方向の支援を台湾出身の専門家が丁寧に対応しております。ご興味ある企業は下記URLをご覧になって、気軽にお問い合わせください。

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本記事の執筆者
許 琇雰

コンサルティング部門所属し、主に財務デューデリジェンス、企業価値算定業務、IPO支援業務等を担当しております。

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