1 給与の支払い規程について
2018年9月21日に労働省(MLVT)より公布されたPrakas 442において、
2019年1月よりカンボジア国内の全ての企業に対して月2回の給与支払いを義務付けました。
全ての企業は、給与の支払いを月2回とし、1回目の支払いを当該月2週目、2回目の支払いを当該月の4週目と定めており、
支払額は以下の通り規定されています。
1回目:純賃金の50%
2回目:残りの50%及び従業員が当該月に受け取るその他の報酬を加えた額
2 無期雇用者に対する年功補償について
2018年9月21日に労働省(MLVT)より、上記Prakas 442と同日に公布されたPrakas 443において、
カンボジア国内の全ての企業に対して、無期労働契約の従業員に対する年功補償の支払について規定されました。
6月の労働法改正時には適用範囲が無期労働契約の従業員のみか、無期労働契約の従業員まで及ぶのか曖昧でしたが、
今回のPrakasで明確に無期労働契約の従業員のみと明記されました。
有期労働契約の従業員に関しては、包括的労働協約(CBA)に規定されている、
賃金及び雇用期間に応じた退職補償を支給し、CBAが存在しない場合は、
退職補償は雇用期間に従業員が得た賃金の総額の5%とされています。
年功補償は、2019年から以下通り年2回の支払を行わなければなりません。
1. 雇用者は雇用中の従業員に対し、15日分の賃金(及びその他の報酬)に相当する年功補償を、
当該年の6月に7.5日分、12月に7.5日分支払う必要があります。
2. 勤務期間が1カ月から6ヶ月の間にある雇用1年目の従業員については、7.5日分の年功補償を支払う必要があります。
2019年以前に雇用されている従業員に対する遡及的年功補償については、
以下の通りと規定されています。
1. 縫製業界の企業においては、過去の勤務期間各1年につき合計30日分の年功補償を、
6月と12月にそれぞれ15日分支給する必要があります。
2. 縫製業界以外の企業においては、過去の勤務期間各1年につき合計15日分の年功補償を、
6月と12月にそれぞれ7.5日分支給する必要があります。
遡及的年功補償の最大支給額は、各年の平均純賃金の6ヶ月分を越えない金額となります。
つまり、縫製業界では過去6年、縫製業界以外では過去12年まで遡って支給しなければなりません。
雇用1年目の従業員の年功補償の基準として、雇用者は勤務期間が1カ月から6ヶ月間の従業員に対し7.5日分の年功補償を支払います。
もし雇用期間が6カ月を超えている場合は、1年間分(15日分)の年功補償を満額支払う必要があります。
2019年より前から1カ月以上雇用されている従業員は、過去分である遡及的年功補償と今後の年功補償を受け取ることができます。
ただし、退職した従業員については遡及的年功補償を支払う必要はありません。
以上が今回公布されたPrakasの内容となります。Prakas上では2019年からとされておりますが、
遡及適用分はいつ支払う必要があるのか等の不明点は残っておりますが、今後も定期的にアップデートをしていきます。
以上、何卒よろしくお願い申し上げます。
寄稿:株式会社東京コンサルティングファーム
インド・中国・香港・ASEAN・中東・アフリカ・ラテンアメリカなど世界27か国に拠点を有し、
各国への進出や進出後の事業運営についてトータルサポートを行っている。
また、新興国投資に対応したデータベース「Wiki-Investment」を提供し、
30 カ国の投資環境や会社法、税務、労務、M&A実務といった内容を掲載(URL http://wiki-investment.com/)
さらに「海外投資の赤本」シリーズとして、インド・中国・東南アジア各国・メキシコ・ブラジルなどの
投資環境、拠点設立、M&A、会社法、会計税務、人事労務などの情報を網羅的かつ分かりやすく解説した書籍を出版している。
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