テンタックは、アパレル商品などにつけられるブランドネームタグやプライスタグ、洗濯ネーム、パッケージなどの副資材を手掛ける卸売業として創業し、製販一体の総合資材メーカーへと業態を転換している。
同社 執行役員 管理本部 本部長 兼 財務経理部 部長の小泉 敦男氏は、「現在では非接触で高速データ読み取りが可能なRFIDタグを主力商品とするほか、SDGs時代のニーズを受けて、プラスチック製品を焼却処分する際に発生するCO2を大幅に削減する『グリーンナノ』や、プラスチックに劣らない強度を有する紙フックや紙ハンガーを実現した『カミナノシリーズ』など、サステナブル素材分野でも経営の多角化を
進めています」と語る。
これらの事業を推進する同社は、現在国内外に複数の生産拠点を構えているが、その1つであるタイ工場では、業務システムに関するある課題に直面していた。
「タイ工場ではタイ国内で一般的なERPシステムを導入していましたが、バージョンが古くサポート終了が近づいていました。また、独自開発した生産・販売管理系システムとの連携部分がブラックボックス化しており、改修するとデータの不整合が生じる状況となっていました」(小泉氏)
会計システムについては、同じく日本側でも課題を抱えていた。同社 管理本部 財務経理部 経理課 課長の久保田 直樹氏はこう語る。
「クラウドベースの国産会計システムを利用していましたが、多通貨対応できないことが最大の問題でした。さらに、データ入力・保存に関する仕様上の制約から、補助科目や予実管理などの管理会計面での機能が不足しており業務上のネックとなっていました。しかし、会計や他の機能も含めたフル機能での料金プランは、当社の使い方ではオーバースペックとなり、コストが割高となっていました」