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【導入事例】M&Aで規模が拡大した国内グループ会社の管理会計を強化 キャッシュフロー計算書も容易に作成可能に/興和株式会社

興和株式会社

商社・医薬品メーカーとして知られる興和株式会社は、近年M&Aによって事業を拡大し、国内グループ会社が40社に増大。これらのグループ各社における管理会計の高度化を目的として、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の「GLASIAOUS」をグループ横断で導入した。管理会計に必要となる各社のデータの統合作業を効率化することで、帳票作成の迅速化を実現し、経営指標の可視化も行いやすくなっている。

導入前の課題
  • M&Aによって国内のグループ会社が増加する一方、会社は異なる会計システムを使っており、情報を横並びで比較することが困難であった
  • 会計情報が各社から別々の帳票で報告されるため、管理会計用にデータを統合する作業に手間がかかっていた
  • 国内統轄部のミッションとして40社の国内グループ会社の財務状況をモニタリングする必要があった
導入後の効果
  • 各社の会計情報を自動で収集する仕組みを構築したことで、管理会計用に情報を統合する作業が効率化された
  • 財務分析のためのデータとしてグラフで可視化された帳票を手軽に作成できるようになった
  • 従来の会計システムでは作成できなかったキャッシュフロー計算書をワンクリックで作成できるようになった

 

興和におけるGLASIAOUS活用のイメージ

GLASIAOUSを選んだ理由

【キーワード】管理会計の高度化/国内グループ会社のモニタリング/キャッシュフローの可視化/財務分析の効率化/会計システムのクラウド化

 

国内グループ全社の管理会計は、GLASIAOUSのデータ集約機能を用い、既存の各社の財務会計システムはそのままに、そこからの情報を収集して一元化し、各社の経営情報を把握する仕組みを構築した。

導入事例インタビュー

既存の会計システムを生かしつつ国内グループ各社のモニタリングを強化
M&Aによる事業拡大で管理会計用のデータ収集が複雑に

 商社および医薬品メーカーとして事業を展開する興和では、現在グループ全体で「健康と環境」を軸とする多彩な事業活動を行っている。商社事業では、生活関連・産業関連領域で持続可能な社会を目指すことに軸足を置きつつ事業を拡大している。医薬品事業では、家庭でおなじみの医薬品を開発・販売するほか、昨今はスマート医療領域にも進出。これらの事業のほかにも、ホスピタリティ事業として、地元の有名ホテルや結婚式の運営も手掛ける。
 事業の拡大にあたってM&Aを実施し、現在国内グループ会社は40社を超える。それに伴って同社では、新たに各社をハンドリングしつつ、単なる足し算の経営にとどまらない、各事業間を横断した事業展開を進めていく必要性が生じている。そこで同社が着目したのが管理会計の強化である。
 M&Aで参画した各子会社は業態も規模も多岐にわたる。また会計システムも別々の製品を導入しており、出力される会計帳票もバラバラであった。そのため、管理会計用のデータを集計する際には、各社の会計システムから出力される帳票の数値を専用のシステムに手入力して、統一帳票上の指標や勘定科目に置き換える作業が必要だった。「システム設定作業がM&Aや組織再編を行うたびに発生し、業務を担当する国内統轄部に大きな負担がかかっていました。また、国内グループ会社の会計システムが管理会計に適したものではなかったため、財務分析に必要な指標やデータが見えづらいという課題も抱えていました」と、国内統轄部で管理を担当する担当課長は当時の状況を説明する。

 

 

全社的なリプレースではなく管理会計専用のシステムを導入

 こうした課題を踏まえて同社は、当初は全社の会計システム刷新を検討したという。しかし、大きなコストがかかってしまうことに加え、グループ各社で事業規模も異なり、会計システムの変更が各社の業務に与える影響も大きかったことから、別の方法を模索することにした。そこで同社の目に留まったのが、GLASIAOUSであった。
 「ちょうどグループ会社の1社が会計システムとしてGLASIAOUSの導入を検討しており紹介を受けました。話を聞くと、複数拠点の既存の会計システムから情報を集約して、グループ会社をモニタリングするのに適した仕組みを備えていることがわかったのです」と、担当課長は選定の経緯を振り返る。
 複数の会計システムを比較・検討したが、GLASIAOUSを選んだ決め手となったのは、子会社の財務諸表を横断的に見られるグルーピング機能や操作性、さらに柔軟な帳票作成を実現するための機能が標準機能として提供されていることであったという。

 想定した全体像としては次の通りだ。各社が利用する財務会計システムをそのまま生かし、新たな管理会計用のシステムとしてGLASIAOUSを導入する。業務フローは、各社が月次で会計システムからGLASIAOUSにデータをアップロードすると、自動的に統一の帳票が作成される。それを定期的に出力して指定の場所に保存しておき、本社の国内統轄部や連結決算担当部門がグループ全体の経営状況のモニタリングを行うというものだ。
 2022年4月から導入の準備に入り、B-EN-Gのエンジニアと連携して導入作業を進め、7月に全社で稼働を開始した。導入にあたっては、各社から出てくる帳票の勘定科目を統一するために少なからず苦労も発生したというが、「システムに関することはもちろん、会計に関する処理についても的確なアドバイスをもらえました。それが課題解決につながり、最短のスケジュールで導入できました」と導入担当者は語る。

 

 

キャッシュフロー計算書をワンクリックで作成

 

 導入の成果として、国内統轄部ではグループ会社をモニタリングするための帳票作成に関する作業工数が従来の半分以下に削減されたという。特に帳票の設定変更業務は2021年度だけで11回発生しているが、「今後M&Aで会社が増えても新たに設定をし直す作業がなくなることを考えると、相当な省力化になると試算しています」と同社の担当役員は話す。
 機能面では、「Excelで作成したデータをGLASIAOUSに取り込む作業がコピー&ペーストのコマンド操作で完結するので、かなり時間が短縮されています。これは会計システムではあまり見かけない便利な機能で、とても助かっています」と導入担当者は評価する。
 管理会計用の帳票では、BS/PLや製造原価報告書以外に、GLASIAOUSの帳票作成機能をより活用することで財務分析指標も出力可能になり、経営状況を可視化しやすくなったという。ほかにも、手作業で作っていたキャッシュフロー計算書がワンクリックで出せるようになり、財務分析用の帳票のバリエーションも増えている。
 グループ各社に対する導入効果についても、「オペレーションも今までとほとんど変わりません。さらに、以前より一部の子会社からは経営分析指標を見たいという声もあったので、メリットは大きいと思われます」と担当課長は語る。
 今後同社では、GLASIAOUSで出力された管理会計データを、月次の事業部の会議やグループ会社による四半期ごとの決算報告会議の資料としても使えるようにしたいとの意向を示す。グループ全体の管理会計の高度化を見据え、「モニタリング機能の活用の高度化に加えて、各社や事業部のトップにも、GLASIAOUSで出力される財務会計データを経営戦略の策定や業績改善に有効活用してほしいと思います」と同社の担当役員は話す。

 

クライアント情報
興和株式会社
創   業:1894年
資 本 金:38億4,000万円
従業員数:7,922名(2022年3月現在:連結)
事業内容:繊維・機械・建材などの輸出入や三国間貿易を行う商社として、また医薬品・医療用機器・ビジョンユニット・省エネ・創エネ関連製品などのメーカーとして幅広い事業を展開
創業以来、繊維商社機能および医薬品メーカー機能を中心に事業を拡大してきた。昨今では、名古屋の地域を代表する企業として地元のホテル経営なども手掛け、多角的に事業を展開する。現在は、グループビジョンとして「健康×環境」を掲げ、ウェルビーイングや持続可能な社会を追求するべく事業活動を展開している。

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