日本経営ウィル税理士法人
企業の海外進出支援事業を強化している日本経営ウィル税理士法人は、インドに新たな現地法人を設立し、会計税務や記帳代行などのアウトソーシングを開始した。このサービスの提供基盤、そしてインド法人自らの基幹業務システムとして、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のクラウド型会計&ERPサービス「GLASIAOUS」を導入。インド固有の複雑な税法や電子インボイスに対応するとともに、インドと日本間のスムーズな情報連携によるグローバル経営を実現している。
日本経営ウィル税理士法人
企業の海外進出支援事業を強化している日本経営ウィル税理士法人は、インドに新たな現地法人を設立し、会計税務や記帳代行などのアウトソーシングを開始した。このサービスの提供基盤、そしてインド法人自らの基幹業務システムとして、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のクラウド型会計&ERPサービス「GLASIAOUS」を導入。インド固有の複雑な税法や電子インボイスに対応するとともに、インドと日本間のスムーズな情報連携によるグローバル経営を実現している。
【キーワード】海外固有の商習慣・税法への対応/電子インボイス対応/海外拠点と日本本社の連携強化/正確な経営判断の支援/会計業務の標準化/データ入力の二度手間を排除/管理の煩雑化の解消/遠隔地での分業体制の確立/コンソーシアムへの参加
インドに進出した企業の支援事業の基盤としてGLASIAOUSを活用。また、会計領域の各種専門家とIT企業が一体となってお客様支援を行うと同時に、市場ニーズを共同で検討・最良の製品サービスを市場へと還元する「GLASIAOUSコンソーシアム」に賛同し、活動の幅を広げている。
日本経営ウィル税理士法人では、法人税務や国際税務、事業承継、相続対策など幅広い案件に対応するほか、近年では特に海外進出支援事業に注力している。また、既設のフィリピン法人に続いて2021年6月にはインドにも自社グループの拠点を設置し、日本の会計業務経験者が駐在員を支援することで、国内と現地の双方から進出実務をサポートしている。
実際にインドでビジネスを行ううえでの困難について、日本経営ウィル税理士法人 トータルソリューション事業部 海外チーム 次長の藤井邦夫氏は次のように語る。
「たとえば、消費税にあたる物品サービス税(GST)は、品目ごとに異なる複雑な税率が設定されているほか、州をまたいだ取引については、州政府と中央政府の2つにわけて計上しなければならないなど、インドにはさまざまな会計ルールが存在します。また、税法そのものが電子化を前提として制度設計されています」
こうしたことから、インド特有の会計ルールや税法、そして電子化に対応するためには、システムの利用が不可欠となる。なお、インド国内では「Tally」と呼ばれるERPパッケージがデファクトスタンダードとなっており、インドに進出した日系企業もTallyを利用することが多い。だが、これも簡単なことではない。
「Tallyは、インドの商習慣にあわせて開発されているため、貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)の表記の仕方が日本とは大きく異なります。そもそも勘定科目という概念もほとんど持ち合わせていません。したがって日本本社との間で会計情報を共有するためには、Tallyのデータを手作業で仕分けしてスプレッドシート上の月次財務諸表(MIS)に転記するなど煩雑な手間が発生してしまいます」と藤井氏は語る。
上記の課題を解決するERPとして、日本経営ウィル税理士法人ではGLASIAOUSを検討。実際にインドに進出したある日系企業グループの会計税務処理や記帳代行などのアウトソーシングを請け負うにあたり、GLASIAOUSを提案し、さらに、自社のインド法人でも導入を決めた。
「インドの複雑な税法や電子インボイスにも個別に対応するほか、標準で多言語・他通貨対応している点などを評価しました。また、UIが非常に優れているためデータ入力の使い勝手がよく、記帳代行を請け負ううえでも業務効率化につながると判断しました」と藤井氏は、GLASIAOUSの選定理由を示す。
他のERPでは得られないメリットとして、「GLASIAOUSコンソーシアム」の存在も大きい。これは、会計事務所とIT企業が一体となり、お客様支援を行うと同時に、市場ニーズを共同で検討・最良の製品サービスを市場へと還元することで、クラウド国際会計サービスのデファクトスタンダードを目指す組織である。
「たとえば、機能ワーキンググループでは、グローバル会計や税務に関する業務現場の課題解決が真剣に議論されており、その成果を新機能としてフィードバックしていくスキームそのものがGLASIAOUSに優位性をもたらしています」と藤井氏は強調する。
また、GLASIAOUSコンソーシアムは自らのビジネスをアピールする場としても魅力的に映っているとのこと。「インド法人はまだ立ち上がったばかりであり、今後に向けて事業を拡大していくためには、有力な日系企業の皆様に対して積極的に認知を広げていく必要があります。そうした活動の一環として、GLASIAOUSコンソーシアムの活動として、イベント共催やセミナー講演の機会を得られることは、私たちにとってこれ以上ないビジネスチャンスとなります」と藤井氏は語る。
インド法人が顧客向けに導入したGLASIAOUSは、2022年1月に稼働を開始。自社向けに導入したGLASIAOUSについても、既存の会計ソフトからの切り替えを順次進めており、2023年3月までに完全移行する計画だ。
顧客向けのGLASIAOUSについては、当初の目的どおり会計税務および記帳代行などのアウトソーシングをフルに担っている。
「インド固有の電子インボイスに対応した標準様式や、入力データに対して適切な勘定科目コードを自動的に割り振って仕分けるマクロなどをB-EN-Gが作成し、提供してくれたおかげでスムーズな導入を図ることができました。今後も売掛金の消込処理や取引先への電子インボイスの自動送付など、GLASIAOUSの利用を拡大していくとともに、これを足掛かりとしてグローバル経営や内部統制マネジメントなど、新規のコンサルティングの受注にもつなげていきたいと考えています」と藤井氏は話す。
一方、自社向けに導入したGLASIAOUSについても日本側のERPとの連携を進め、「インド側で行った決算を日本側から承認するといった分業を実現し、グローバル経営の基盤に発展させていきます」と藤井氏は意向を示している。
そして、これらの取り組みから得られた成果や手応えを踏まえつつ、日本経営ウィル税理士法人はGLASIAOUSコンソーシアムにおける活動もさらに加速させている。実際に、2022年実績で合計10回を超えるWebセミナーを実施してきた。
「おかげさまで、Webセミナーでは数多くのお客様にご参加いただいており、なかにはリピーターになられる方もいます。地道ながらもこの活動を続けていくことで、確実に新たなリード(見込み顧客)を獲得していきます」と藤井氏は語った。
日本経営ウィル税理士法人では、コンソーシアムおよびB-EN-Gとの連携のもと、GLASIAOUSを基盤とした自らの業務変革とグローバルビジネスの強化を推進していく構えだ。