データ移行に苦慮するも自力での導入に成功
QuickStart方式を採用することにしたVALUENEXでは、マニュアルに基づきGLASIAOUSの導入・設定を進めていくことになった。
「特に重要な初期設定については、あらかじめ用意されたExcelフォームに入力して転送すると自動的にGLASIAOUSに反映される仕組みとなっており、比較的順調に作業は進みました」と山口氏は語る。
もっとも苦労がなかったわけではない。VALUENEXは米国で事業を開始してから約8年分の過年度仕訳データをすべてGLASIAOUSに取り込もうとしたところ、項目数が膨大であったこともありエラーが度々発生したという。もちろん、QuickStart方式でも、導入作業中はメールベースでB-EN-Gのサポートは継続的に受けることができる。それを利用しながら山口氏は導入を進めていった。
「通常の経理業務を行っている隙間時間だけではなかなか作業が進まず、すべてのデータの移行を終えるまでにはそれなりの期間を費やしてしまいましたが、発生したエラーについては、特段対応できないものではありませんでした。B-EN-Gからも修正方法や回避策など的確な回答をいただき、おかげでこのハードルを乗り越えることができました」と山口氏は振り返る。
証憑添付機能を効果的に活用し承認プロセスの工数を削減
こうして導入とすべてのデータの移行作業を終えたGLASIAOUSは、2カ月間の並行稼働期間を経て2021年8月より本格的な稼働を開始した。
VALUENEXのAccounting & Finance Dept. 梅田道子氏は、「それまで使っていた会計システムとGUI や操作感が異なる部分もあり、最初のうちは戸惑いもありましたが、慣れてしまえば問題ありません。BSやPL、月次PL推移表といった帳票も快適なレスポンスで確認できています」と語る。
さらに高い評価を得ているのが、以前の会計システムにはなかった証憑添付機能である。「従来の会計システムでは、別フォルダで管理されている証憑を開いて伝票番号などを目視で確認して突合しなければなりませんでしたが、GLASIAOUSではそうした煩雑な手間がなくなりました。あわせて明細データへのドリルダウン機能もしっかり活用されており、承認プロセスの工数削減を実現しています」と山口氏は語る。
VALUENEXでは、将来的にグローバル体制が強化された際の基盤として、GLASIAOUSの活用に期待を示している。
「当社は、現時点で日本と米国の2拠点体制ですが、多国籍な従業員や海外法人との提携でグローバル化が進んでおります。さらにこの流れが加速した際には、日本語、英語、中国語(繁/簡)、タイ、ベトナム、インドネシアの7つの言語および通貨に対応したGLASIAOUSは、よりその真価を発揮できるでしょう」と山口氏は語っている。