光洋マテリカ株式会社
非鉄金属素材や樹脂素材の流通から加工までを手がける光洋マテリカ株式会社(以下、光洋マテリカ)は、タイ、インドネシア、上海、香港の海外4拠点の経営管理強化を目的に、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のクラウド型会計&ERPサービス「GLASIAOUS」を導入。Excelによる会計処理、販売管理から脱却し、全拠点の最新情報を日本本社から把握できる仕組みを構築したことで、情報共有や報告の迅速化、連結決算業務の省力化を実現している。
光洋マテリカ株式会社
非鉄金属素材や樹脂素材の流通から加工までを手がける光洋マテリカ株式会社(以下、光洋マテリカ)は、タイ、インドネシア、上海、香港の海外4拠点の経営管理強化を目的に、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のクラウド型会計&ERPサービス「GLASIAOUS」を導入。Excelによる会計処理、販売管理から脱却し、全拠点の最新情報を日本本社から把握できる仕組みを構築したことで、情報共有や報告の迅速化、連結決算業務の省力化を実現している。
コスト面はもちろん、多言語対応、直感的に使える操作性などを総合的に判断してGLASIAOUSの採用を決定。上海拠点では業務委託先の現地の会計事務所に導入してもらうことで、会計業務の自計化と効率的な分業に役立っている。
自動車産業の成長とともに事業を拡大してきた光洋マテリカ。複数のサプライヤーとともに、自動車部品や電子部品、建設設備機器、省エネ関連部品などの幅広い分野で顧客のニーズにあわせた製品を提供している。また、これまで培ってきた車載、電装部品などのノウハウを生かして、加工ビジネス分野を拡充するとともに、海外拠点における事業のさらなる拡大を進めようとしている。
同社では、顧客の海外ビジネスのニーズに応えるために、2010年にタイ、2011年に香港、2012年にインドネシア、2013年に上海と1年ごとに拠点を立ち上げて事業を拡大してきた。しかし、海外事業を推進するにあたり経営管理の観点からいくつかの課題を抱えていたという。その1つが会計情報の把握である。同社 財務経理部 部長の川村尚広氏は「海外拠点の営業・財務状況を正確に把握するまでに、月次の締めから1カ月~1カ月半かかっており、タイムラグが生じていたのが課題でした。また海外拠点の事業規模が拡大し、重要性が高くなってきたために連結で数字を把握したいという経営層からのニーズも高まっていました」と話す。
もう1つの大きな課題はExcelベースの非効率な業務だ。上海拠点の現地法人社長でもあり執行役員を務める稲垣達也氏は、次のように語る。
「財務会計や販売管理の仕組みは拠点ごとにやり方がばらばらで統一性がありませんでした。例えば上海拠点では、記帳や発注書・インボイス発行などもExcelベースで行っていたために非効率的でした。もしインボイスに誤りがあれば税関で止まってしまうため、システムによる正確な管理は不可欠です。加えて、日本本社側からでも随時可視化できる仕組みを導入したいと考えていました」
上記の課題を解決するために光洋マテリカが導入を決定したのがGLASIAOUSだ。まずシステム更改の対象として最初に着手したのがタイ拠点の会計システムである。「タイ拠点では現地の会計システムを使っていたので、日本人は入力された内容の確認に時間を要していました。日本人スタッフ、ローカルスタッフ双方が使える多言語の会計ソフトを検討した結果、選定したのがGLASIAOUSでした」と川村氏は話している。
導入は2020年夏頃に行い、そこで有効性を確認した同社では、続けて上海と香港への横展開を実施した。加工業務を行い、生産拠点の役割を持つタイとインドネシアでは既存システムとのバランスから、生産管理機能以外の業務管理や会計管理を担うシステムとして導入し、商社としての役割をもつ香港と上海はERP(販売購買在庫)機能も導入している。
川村氏は、「機能やコスト面はもちろん、中国語、タイ語、インドネシア語などの多言語対応、直感的に使える操作性などを総合的に判断して採用を決めました」と話す。
B-EN-Gのサポートについて川村氏は、「我々としては現地と話をしながら導入したいという思いがあったのですが、コロナ禍でまったく動けなくなってしまいました。その中でB-EN-Gの担当者には、リモート環境を上手く使って現地スタッフのニーズを聞きながらきめ細かく対応してもらえたので、ほぼスケジュールどおりに導入できました」と話す。
GLASIAOUS導入による最大の効果は、各拠点の会計情報の共有が迅速化されたことだ。川村氏は「四半期ごとの経営層への報告のスピードが向上しました。GLASIAOUSから詳細な情報を深掘りできるので、各拠点の責任者は、会計事務所からの財務諸表ベースに報告していたときよりも状況をきちんと把握して、数字の変化も捉えられるようになっています」と話す。
上海拠点では、記帳代行を依頼していた会計事務所にもGLASIAOUSを利用してもらっており、現地と会計事務所、日本本社が同じ画面でやり取りすることで会計業務の効率化につながっている。上海拠点は、これまで記帳を含む会計業務のほとんどをアウトソースしていたが、GLASIAOUSを導入したことで自計化が進み、今では業務の約8割は同拠点内で完結しているという。
また販売管理に関する効果を稲垣氏は次のように話す。「売上、粗利の速報値や期中、月中の進捗状況、予算に対する実績などは日本拠点からでも瞬時に把握できます。月次の役員会議のために、これまで半月程度かかっていた資料の準備も3日程度でできるようになりました。履歴をさかのぼって確認できること、帳票を簡単に出力できることなどもシステム化によるメリットです」
さらに、連結決算業務を担当する財務経理部 海外事業戦略室の新井壮一氏もそのメリットをこう語る。「連結決算を行うために、以前は各海外拠点からExcelファイルをもらって作業していました。各科目の数字を拾うだけならそれで問題ありませんが、その詳細が知りたいときGLASIAOUSが欠かせません。疑問点があっても今では個別に各拠点の担当者に問い合わせることなく、GLASIAOUSでドリルダウンして確認できるようになりました。連結決算にかかる工数は以前に比べて半分程度に削減されました」
現在、各拠点の予算管理はExcelファイルをベースに行っているが、今後はGLASIAOUSの予算機能を活用して予実管理の効率化も図っていく予定だ。また、現在使用している連結決算システムとのデータ連携も検討しており、それによってさらなる工数の削減が期待できる。稲垣氏は、「今後、新たな海外拠点を立ち上げるときにも始めからGLASIAOUSを採用したいと思っています」と話しており、同社の海外ビジネス強化に向けてGLASIAOUSはますます欠かせない存在となってくるであろう。