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タイ 導入事例

【導入事例】自計化で迅速な経営判断が可能に クラウドの利点を生かしてコロナ禍のリモートワークを実現し業務を止めず事業を継続/YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.

YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.

(本社:ヤマサ醤油株式会社)

ヤマサ醤油株式会社のタイ現地法人、YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.(以下、YAO)では、業務の効率化を目的に、ビジネスエンジニアリン
グ(B-EN-G)のクラウド型国際会計&ERPサービス「GLASIAOUS」を導入。受発注・在庫管理などの業務の効率化、また、自計化(自社会計への移行)の実現によってリアルタイムに財務状況を把握し、財務諸表に基づいた迅速な経営判断を可能にした。

導入前の課題
  • 受発注・在庫管理業務は、タイ製の会計システムとExcelで管理していたためミスが多く、時間と工数がかかっていた
  • 記帳代行で会計処理を会計事務所に委託していたので、タイムリーな財務状況の把握ができず自計化が必要だった
  • 現地会計システムでは、業界およびYAO特有のさまざまな取引に対応できなかった
導入後の効果
  • 発注、仕入、出荷、在庫管理など受発注関連業務がGLASIAOUS上でシームレスに連携され、業務を効率化
  • 自計化の実現でリアルタイムに財務状況を把握し、財務諸表に基づいた迅速な経営判断が可能に
  • クラウドベースなので在宅で作業が可能となり、コロナ禍での業務継続にも貢献
GLASIAOUSを選んだ理由

キーワード:受発注および在庫状況の容易な把握と管理/顧客からの問い合わせに対する迅速な回答/自計化によるリアルタイムな財務状況把握/業務効率化/リモートワーク(在宅勤務)の実現/業務の属人化の解消/事業継続体制の強化

 

会計と業務を現地会計システムとExcelで管理していたために発生していた人的ミスを防ぐことができること、会計事務所に依頼していた会計業務を自社会計化できる(自計化)こと、業界およびYAO特有の取引に対応できることなどを評価してGLASIAOUSを選定。GLASIAOUSコンソーシアム会員である会計事務所の支援がスムーズなシステム導入の実現につながった。

導入事例インタビュー

受発注・在庫管理業務の効率化・正確性向上と財務情報のリアルタイム把握を実現

YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.
Vice President
北野 建 氏
受発注・在庫管理関連業務の効率化と自社会計への移行が課題だった

 これまでYAOでは、各種業務にタイ製の会計システムパッケージを用いていた。しかし、受発注や在庫管理などの業務ではExcelで個別に管理を行い、別途会計システムへ入力する必要があったため、担当者への大きな作業負荷となっており、ミスが生じることも多々あったという。さらに、同システムでは、業界およびYAO特有の取引に対応しておらず、例えばインボイス発行では、ボックス単位のみで、ボトル単位での発行ができなかったため、Excelを併用していた。
 また、YAOのVice President 北野建氏は「会計処理を外部の会計事務所に委託していたために財務状況をリアルタイムに把握することが困難であり、決算書のドラフトが出力されて初めて全体を把握できる状況でした。記帳に関しても、会計事務所はYAOの内情までは知らないため、記帳内容をチェックしたり、修正したりするための時間と工数がかかっていました。会計事務所に記帳内容の問い合わせをした場合、回答まで1~2日程度かかることも普通でした。また、本社からの問い合わせの回答にも時間がかかっていたため、将来的に計画している連結決算実施のためには、効率的な仕組みづくりが求められていました」と振り返る。


BBS (Thailand) Co., Ltd.
Director 公認会計士(日本)
山本 貴文 氏
BBSタイのサポートでGLASIAOUSをスムーズに導入

 YAOでは、こうした課題を解決するにあたってGLASIAOUSコンソーシアム会員である会計事務所のBBS(Thailand)Co., Ltd.(以下、BBSタイ)に業務改善コンサルティングを依頼。BBSタイでは、いくつかの会計業務パッケージを比較検討した結果、2019年12月にGLASIAOUSの採用を提案した。YAOがGLASIAOUSを選定した理由は、Excelで業務を個別管理していたために発生していたミスを防ぐことができること、会計事務所に依頼していた経理業務を自社でできる(自計化)ようになること、業界およびYAO特有の取引に対応できることだった。
 業界およびYAO特有の取引という点では、ロット単位で製造日や賞味期限の管理ができること、ケース数や容量(キロリットル)、ボトルなどの複数の単位で在庫管理ができることを評価。また、日本本社、海外顧客、YAOの三者が関係する三国間貿易に対応していることが採用のポイントとなった。もちろん、多言語・多通貨に対応していることは大前提だった。
 GLASIAOUS導入プロジェクトは、2020年1月にキックオフ。1~2カ月かけて、YAOとBBSタイが一緒にシステム設計を行い5月に本番稼働した。同時に、1月~4月までBBSタイが会計業務委託を受け、記帳代行を実施。5月からはYAOで入力を開始(自計化を実現)している。
 BBSタイ Directorの山本貴文氏は、「北野氏に海外での会計システム管理の経験があり、我々も開発期間に会計業務委託を受け、YAO様の内情を把握していたことで、スムーズな導入ができました。時間をかけて、クライアント様と共にシステムのあるべき姿を熟考し、設計に取り組んだことが功を奏しました」と話す。


YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.
Accounting & Administration
Dept.
Manager
アリーラットワッタナチャン
YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.
Accounting & Administration
Dept.
Officer
ワッチャラ スワミン
資金繰りをリアルタイムに把握し経営リスク軽減にも寄与

 GLASIAOUSの導入により、リアルタイムで詳細な業務管理を実現し、シームレスに会計へ取引データが流れるようになり、また、その幅広い機能を活かして業務全体が効率化された。YAOの経理マネージャーのアリーラット ワッタナチャン氏は「GLASIAOUSへの移行では、特に苦労はありませんでした。新しいシステムに切り替えると慣れるまでに時間がかかると思っていましたが、GLASIAOUSは使いやすく、すぐに慣れることができました。固定資産の減価償却費、外貨評価換算や前払費用の取崩処理は、以前は手作業で計算していましたが、GLASIAOUSはボタン1つで計算してくれるので本当に便利です」と話す。

 出荷手配および在庫管理におけるGLASIAOUSの導入効果を、これらの業務を担うYAO経理担当のワッチャラ スワミン氏は次のように評価する。「出荷処理のときにロットを選択できるので、ストックレポート(在庫残高一覧)を出力すると、そのロットのアイテムがいくつ残っているかがすぐに分かります。どのロットのアイテムをどの顧客に販売したかも分かるので、顧客や担当営業からの問い合わせにもすぐに回答できるようになりました」
 自計化したことで、リアルタイムに財務状況を把握できるようになり、財務諸表に基づいた迅速な経営判断が可能になっている。「特にコロナ禍の現在、資金繰りの状況をリアルタイムに把握できるので、資金管理面のリスク軽減と効率化を実現することができました」(北野氏)
 従前のシステム利用にはオフィスに出社しなければならなかったが、GLASIAOUSはクラウドサービスであることから、リモートワークが容易にできることもメリットの1つだ。北野氏は、「コロナ禍でも在宅勤務にシフトし、従業員の安全を守りながらも出荷を止めることがなかったので、顧客からの信頼を失うことなく、難局を乗り越えることができています。さらに、オンラインで操作方法をトレーニングできたため、バックアップの目的で他のメンバーにもリモートで業務を教えることができ、業務継続体制を迅速に整備することができました。その結果、業務の属人化の解消にもつなげることができました」と話す。
 今後、YAOでは、会社全体の損益計算書(PL)だけでなく、取引先別や事業別のPLを作成して、どの事業や顧客から利益を得ているのかなど会社業績を詳細に分析するための仕組みを実現する計画だ。また、現在は管理部門の利用が中心だが、営業や開発・生産部門がシステムを活用して、売上や商品別の状況についてそれぞれに必要な分析ができるように利用を広げていければと話している。
 「本社のシステム更改が終わったタイミングで、連結決算実施に向けて始動する見込みです。GLASIAOUSの導入により本社から海外拠点の情報をタイムリーに閲覧できる仕組みは備わったため、連結決算実施のために本社の会計システムとGLASIAOUSをデータ連携させる仕組みの検討が今後必要になると考えています。一方、YAOにおいてはさらなる業務効率化と財務状況の見える化を図り、会社としてより良い判断ができる仕組みの実現に向け、より一層のサポートをBBSタイとB-EN-Gに期待しています」(北野氏)

 

クライアント情報
YAMASA ASIA OCEANIA CO., LTD.
設  立 2016年11月
事業内容 家庭用および業務用の醤油、各種調味料のタイ国内販売および輸出販売。
本社は千葉県銚子で1645年に創業し、醤油、各種調味料などの製造から販売までの一貫した事業を展開するヤマサ醤油株式会社のタイ現地法人。アジア・オセアニア地区の需要の高まりを受けて設立された。日本製だけでなく、現地の嗜好に合わせた商品開発を行いながら、タイを中心に、アジア・オセアニア各国に事業展開している。

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