GLASIAOUSの導入により、リアルタイムで詳細な業務管理を実現し、シームレスに会計へ取引データが流れるようになり、また、その幅広い機能を活かして業務全体が効率化された。YAOの経理マネージャーのアリーラット ワッタナチャン氏は「GLASIAOUSへの移行では、特に苦労はありませんでした。新しいシステムに切り替えると慣れるまでに時間がかかると思っていましたが、GLASIAOUSは使いやすく、すぐに慣れることができました。固定資産の減価償却費、外貨評価換算や前払費用の取崩処理は、以前は手作業で計算していましたが、GLASIAOUSはボタン1つで計算してくれるので本当に便利です」と話す。
出荷手配および在庫管理におけるGLASIAOUSの導入効果を、これらの業務を担うYAO経理担当のワッチャラ スワミン氏は次のように評価する。「出荷処理のときにロットを選択できるので、ストックレポート(在庫残高一覧)を出力すると、そのロットのアイテムがいくつ残っているかがすぐに分かります。どのロットのアイテムをどの顧客に販売したかも分かるので、顧客や担当営業からの問い合わせにもすぐに回答できるようになりました」
自計化したことで、リアルタイムに財務状況を把握できるようになり、財務諸表に基づいた迅速な経営判断が可能になっている。「特にコロナ禍の現在、資金繰りの状況をリアルタイムに把握できるので、資金管理面のリスク軽減と効率化を実現することができました」(北野氏)
従前のシステム利用にはオフィスに出社しなければならなかったが、GLASIAOUSはクラウドサービスであることから、リモートワークが容易にできることもメリットの1つだ。北野氏は、「コロナ禍でも在宅勤務にシフトし、従業員の安全を守りながらも出荷を止めることがなかったので、顧客からの信頼を失うことなく、難局を乗り越えることができています。さらに、オンラインで操作方法をトレーニングできたため、バックアップの目的で他のメンバーにもリモートで業務を教えることができ、業務継続体制を迅速に整備することができました。その結果、業務の属人化の解消にもつなげることができました」と話す。
今後、YAOでは、会社全体の損益計算書(PL)だけでなく、取引先別や事業別のPLを作成して、どの事業や顧客から利益を得ているのかなど会社業績を詳細に分析するための仕組みを実現する計画だ。また、現在は管理部門の利用が中心だが、営業や開発・生産部門がシステムを活用して、売上や商品別の状況についてそれぞれに必要な分析ができるように利用を広げていければと話している。
「本社のシステム更改が終わったタイミングで、連結決算実施に向けて始動する見込みです。GLASIAOUSの導入により本社から海外拠点の情報をタイムリーに閲覧できる仕組みは備わったため、連結決算実施のために本社の会計システムとGLASIAOUSをデータ連携させる仕組みの検討が今後必要になると考えています。一方、YAOにおいてはさらなる業務効率化と財務状況の見える化を図り、会社としてより良い判断ができる仕組みの実現に向け、より一層のサポートをBBSタイとB-EN-Gに期待しています」(北野氏)