成功の鍵は「現場の納得」
キックオフ前に現地訪問し目的を共有
2022年10月にインドネシアでプロジェクトがスタートし、わずか3ヵ月後の2023年1月には稼働を開始。この成功の背景には、石川氏の徹底した現場重視の姿勢があった。
「ローカルスタッフもプロジェクトに関わり、その後の運用も担うため、まず理解して納得してもらうことが重要でした」と石川氏は振り返る。プロジェクト開始前には、現地を訪問してローカルスタッフや現地責任者に対し、プロジェクトの目的や意義を丁寧に説明。デモも日本と現地のB-EN-G拠点の担当者とで何度も実施し、現場の理解を深めていった。
「日本本社側だけで進めると、運用開始後にうまく回らないリスクがあります。最初の段階から本社の要件やシステムの内容をしっかり共有し、納得いただいた上で進めることが最も重要でした」と、現場を巻き込む重要性を強調した。
本社・現地の工数削減と内部統制強化を両立
GLASIAOUS導入により、複数の効果が得られた。帳票類をシステム内で作成できるようになり、本社・現地双方の工数が削減された。「現地への情報依頼や、データを出力して渡す工数がなくなり、日本から直接必要なデータを取り出せるようになりました」と石川氏は語る。
また、共通の画面を見ながら議論できるようになったことで、コミュニケーションの質も向上した。4拠点すべてが同じGLASIAOUSを使用しているため、操作方法が統一され、業務効率も向上した。システムが日本語対応のため、海外経験の少ない駐在員でも現地の会計情報を確認でき、承認作業も可能になった。ガバナンス強化の面では、システム内で承認ルートを設定し、権限を各自に付与することで、内部統制も強化された。
AI-OCRや他システム連携で更なる効率化へ
拡大する事業に伴走を期待
ハウス食品グループでは、GLASIAOUSの活用をさらに広げる取り組みが進んでいる。その一つが、AI-OCR機能だ。請求書データの自動読み取りにより入力業務を大幅に削減できるもので、タイ拠点ではすでに利用が始まっており、他拠点への展開も検討されている。
また、GLASIAOUSと既存の他システムとのインターフェース構築が進められており、部署を横断した取り組みへと発展しつつある。「導入を進めていく中で、他部署からも認知されるようになり、最近ではシステム部門も一緒にプロジェクトに入っていただいています」と石川氏は語る。
現在、新たにインドネシアの製造拠点への導入プロジェクトも進行中だ。「B-EN-Gには、最も弊社のことを知っているシステムベンダーとして、一緒に伴走していただきたいと考えています」と石川氏は期待を寄せる。