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【開催レポート】GLASIAOUS Next 2024-25 “今”求められる、経営者が知っておくべき「価値創造」のヒント ~財務情報や非財務情報から見る企業成長のための戦略~

コラム
2025.03.31
【開催レポート】GLASIAOUS Next 2024-25 “今”求められる、経営者が知っておくべき「価値創造」のヒント ~財務情報や非財務情報から見る企業成長のための戦略~

目次

2025年3月12日に、GLASIAOUS Next 2024-25 “今”求められる、経営者が知っておくべき「価値創造」のヒント ~財務情報や非財務情報から見る企業成長のための戦略~が開催されました。[詳細はこちら]

 

昨今、多様化や複雑化が進むグローバルマーケットの中で、持続的な企業成長を実現させるためには、財務情報や非財務情報およびAIを戦略的に活用し、先の見通しが立ちにくい状況下でも適切な意思決定を行うことが求められています。さらに、AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、会計分野においても業務効率化やデータ活用が急速に進んでいます。

こうした背景を踏まえ、本イベントでは、財務情報だけでなく非財務情報にも焦点を当て、会計やITの専門家が“今”求められる経営者が知っておくべき「価値創造」のヒントを提案させていただきました。

 

以下、講演概要をお伝えします。

 

 

【基調講演】今の時代に求められる企業の持続的成長を実現する「価値創造」経営

早稲田大学大学院 経営管理研究科
早稲田大学ビジネススクール 教授
入山 章栄 氏

「価値創造」経営のための非財務情報の活用について、入山氏の考える1つの視点を解説。
非財務情報の開示が必要とされてきている中で、ESGと人的資本経営を一括りにしていることで混乱を招いているため、E(環境)とS(社会)、G(ガバナンス)、人的資本経営の3つに分けて整理すべきである。
世界標準の経営理論を軸にすると、コロナ前後で本質は変わらないが、不確実性の高まりから、変化とイノベーションが競争力を左右する。EとSは、企業がイノベーションを起こすためにある。新しいことに取り組む知の探索(Exploration)が重要で、「価値創造」のためには、組み合わせて深掘りをしていく知の深化(Exploitation)とのバランス、すなわち両利きの経営(Ambidexterity)が鍵となる。EとSの開示の方向性は、自社の長期的なビジョンや戦略に適ったものに絞り、周囲を腹落ちさせる納得性が重要。
人的資本は、日本企業においては終身雇用形態が常態化しているため、戦略的な人事の重要性が長らく軽視されてきた。人事・組織改革には時間がかかるもので、長期的視点で取り組む必要があり数値化が難しい。自社の中長期的なビジョンを設定して、どういう人材を育てるかを明確に提示し、指標をコツコツ開示していくということが重要。その中で1つの視点としては、知の深化をAIに代替させ、知の探索に人を充てていくイノベーションが必要になることが挙げられる。
G(ガバナンス)に関しては、形骸化した改革ではなく、「質」の向上が不可欠。特に社外取締役の能力・倫理観が企業価値を左右し、適切な監査・対話の仕組みを構築することが求められる。透明性と長期的視点を持った戦略が必要である。

 

 

【企業講演1】<中堅企業も対応必須>国際課税の根本的変革 BEPS2.0第一の柱「利益B」とは何か

BDO税理士法人 
移転価格チーム 顧問
田村 敏明 氏

現在の移転価格税制では、納税者の法的安定性の欠如や二重課税の未解消、発展途上国の税務執行能力の低さといった問題が指摘されており、これらの課題を解決するために新たな国際課税ルールが導入された。本講演では、OECD/G20が導入を進めるBEPS 2.0の第1の柱「利益B(Amount B)」に焦点を当て、中堅企業への影響と対応策を解説した。

利益Bは、基本的なマーケティングや販売活動に適用される新たな枠組みであり、移転価格税制の執行を簡素化することを目的としている。売上規模に関する条件がないため、グローバルミニマムタックスとは異なり、すべての企業グループが対象となる。税務当局と納税者の双方にとって税の安定性を向上させることが期待されるが、その一方で適用の是非や具体的な影響について慎重な検討が求められる。特に、従来の移転価格課税と異なり、営業費用営業利益率を基準とするクロスチェックを導入することで、二重課税リスクの軽減が図られる点が重要である。2025年1月1日以降の適用が可能とされており、今後の実務に大きな影響を与えることが予想される。

企業にとっては、海外販社の利益率管理がこれまで以上に重要となる。利益Bの適用を検討する場合には、移転価格ポリシーの見直しが不可欠であり、各国の税制状況を踏まえた適切な判断が求められる。特に、最新の移転価格税制情報を把握し、必要に応じてOECDが提供する価格設定自動化ツールの活用を検討することも有効な対策となる。今後の税制変更に適応するための準備が急務だ。

 

 

【企業講演2】企業の海外事業における課税リスクの顕在化事例

CaN International 国際会計事務所
ディレクター
山岡 靖 氏

企業の海外事業における課税リスクについて、国際税務ガバナンスの重要性と具体的な事例を示しながら解説。企業が複数国で事業を展開する中で、各国の税制が複雑化し、適切な税務対応を行わなければ大きなリスクを伴うことが指摘されている。特に、新興国では法令と実務の運用が乖離しているケースがあり、最新の税制情報の収集と適用が不可欠とされる。

企業が直面しやすい主要な税務リスクとして、移転価格税制、恒久的施設(PE)、外国子会社合算税制、租税条約などを取り上げると、これらの制度を正しく理解し、誤った解釈を避けることが、企業の税引後利益の確保とレピュテーションの維持につながると説明されている。具体的な課税リスクの事例として、日本企業がインド企業と取引する際に技術料の源泉所得税が発生し、適切な手続きを行わなかったために高税率が適用されたケースがあった。

また、日本企業の従業員が米国カリフォルニア州に短期出張した際、連邦税は免除されたものの、州税の申告漏れが問題となったケースも挙げられている。さらに、ベトナムに長期滞在した駐在員が現地の累進課税制度により日本よりも高額な所得税負担を強いられた事例や、メキシコの子会社へソフトウェアを販売した際に源泉税と付加価値税が課せられ、予期せぬ税負担が発生したケースも取り上げられている。

こうした事例を通じて、企業が国際税務リスクを回避するためには、各国の税制を深く理解し、適切な税務対応を講じることが極めて重要である。

 

 

【企業講演3】新時代のグローバルバリューチェーン戦略
~M&A戦略と海外展開の視点で考える課題と対応~

株式会社グローバル・パートナーズ・コンサルティング/
Global Gateway Advisors Pte. Ltd. 
泉  美帆 氏

グローバルバリューチェーン戦略について、「地政学リスクの増加」「デジタル化の推進」「ESG要件の拡大」という3つの視点から解説。

従来、バリューチェーン戦略はコスト削減を主目的としていたが、地政学リスクの高まりにより、企業は「分散」「リスク回避」「新市場開拓」を軸にサプライチェーンの再構築を進めている。特に中国依存を減らし、ASEANへの移転が増えており、安定供給を求めたニアショアリングやフレンドショアリングが注目されている。

デジタル化の進展により、テクノロジー分野でのクロスボーダーM&Aが拡大し、全世界のM&Aの80%以上を占めるまでに成長した。IT人材確保や開発体制の強化を目的に、M&Aを活用する企業の事例を紹介。また、脱炭素化の流れが加速し、企業は環境規制に対応するため、ESG要件を考慮した戦略が不可欠となり、バリューチェーン再構築の要因となっている。

今後日本企業は、サプライチェーンの強靭化と多様化、データドリブン経営の推進、持続可能なバリューチェーンの構築が重要となる。競争ではなく共創の時代であり、リスクを分散し、新市場での成長機会を捉える必要があり、世界とともに価値を創り出すことが持続可能な成功の鍵となる。

 

 

【企業講演4】高付加価値業務にシフトするための月次決算改革

Sansan株式会社
Bill One事業部 マーケティング部
オフラインプロモーショングループ
小濱 梨沙子 氏

Sansan株式会社の調査によると、企業では月次決算に平均7日間を要しており、これは営業日の約3割に相当する。

また、社会全体で労働力不足が深刻化しており、さらにインボイス制度や電子帳簿保存法などの法制度改正によって、経理・財務の現場では業務量が増加しているという調査結果も示された。外部環境の変化による業務負担が増加する中、多くの企業で業務の属人化や手作業の多さが課題とっており、これらの課題はコストを増大させ、月次決算の遅れや経営判断の遅れやビジネス機会の損失を引き起こしている状況である。

決算業務を改革するためには「デジタルの活用」「業務プロセスの改善」「組織改革」の3つがカギとなる。単にデジタルツールを導入するだけでなく、業務プロセス全体を見直しながら改革を進めることが重要で、すべてをデジタル化するのではなく、運用とデジタルのバランスを取ることが成功のポイントである。請求書処理の自動化による業務の効率化や、月次決算を短縮し成功を収めた企業の事例を挙げ、企業価値向上のヒントを具体的なアプローチを基に紹介。

経理部門の業務を進化させることが、今後の企業の競争力向上に寄与すると考える。

 

 

【企業講演5】生成AIが生み出す新たな企業価値とは ~企業を成長に導くビジネス戦略~

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員
パートナー事業本部 パートナー技術統括本部長
内藤 稔 氏

ビジネスエンジニアリング株式会社 執行役員
プロダクト事業本部 副事業本部長
兼 クラウドビジネス推進本部長
兼 商品開発本部 商品開発4部長
関口 芳直 氏

B-EN-GとMicrosoftは企業ミッションにおいての親和性が高く、戦略的パートナーシップ関係にある。

生成AIは自然言語と推論エンジンという、人に近い動きができるようになってきた。

今後の生成AIのトレンドとしては、人のように仕事をするエージェント化、インタフェースと生成AIモデルの多様化、試行からビジネス活用のフェーズへの移行といった3点が紹介された。

B-EN-Gのクラウド型国際会計&ERPサービス「GLASIAOUS」は、Microsoftのクラウド基盤や開発手法を用いてセキュリティ担保を行い、業務の「効率化」から人の手を介さない「完全自動化」の将来像を描いている。

その第一歩として、導入や利用をAIでサポートする「GLASIAOUS Copilot機能」のリリース後の検証と改善を行ってきた。

今後の取り組みとしては、AI-OCRによるAIサポートを段階的に拡張し、入力から出力までの完全自動化によるAIのエージェント化の実現を、コンソーシアム会員と共に目指す。

GLASIAOUSは、「頼れるAIパートナー」として、利用者がより高付加価値な仕事にシフトできるようサポートしていく。そして、そのGLASIAOUSの取り組みを、Microsoftが支援していく。

DX化を推し進める過程で、Microsoftはセキュリティを特に重視しており、安心してご活用いただくことがAIを活用いただく重要な一歩と考え、セキュリティ担保の原則に基づいたサービス提供が行われている。

地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにしていきたい。

 

 

【特別講演】優れた起業家が行う意思決定5つの原則「エフェクチュエーション」

複業家/コラボワークス代表
中村 龍太 氏

エフェクチュエーションとは、不確実性の高い環境における起業家の意思決定の論理である。

従来の計画的なアプローチ(コーゼーション)と異なり、エフェクチュエーションは手持ちの資源を基点として柔軟に意思決定を行う方法論である。エフェクチュエーションの5つの原則として、手持ちの資源を活用する「手中の鳥の原則」、リスクを限定する「許容可能な損失の原則」、 パートナーシップを模索する「クレイジーキルトの原則」、偶発的な出来事を活かす「レモネードの原則」、そしてコントロール可能なことに集中する「飛行機のパイロットの原則」が挙げられる。

また、自身が在籍するサイボウズでエフェクチュエーションを活用した実例として、不登校の子ども向けのフリースクール開設プロジェクトを紹介。自分自身のスキルやコネクションなど手持ちの手段の棚卸、フリースクール開設に向け手持ちの資源から何が出来るのか、また許容可能な損失、プロジェクトに共感してもらえるパートナーシップの構築など、不確実性の高いプロジェクトをどのように実現、成功させたかを解説。

エフェクチュエーションの実践は、新たな市場や事業機会を生み出す上で有効であり、特に予測が困難な環境において重要なアプローチである。

 


いかがでしたでしょうか。

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