今年はデフレ脱却のための経済政策として定額減税が実施されました。
海外赴任をしていて月次減税の対象外とされた場合でも、赴任の時期により年調減税の対象となる事例がございます。今回は海外赴任者の年末調整時に気を付けるポイントについて事例別に記載いたします。
1.海外赴任が1年未満の場合
1年未満の赴任の場合は所得税法上の居住者に区分され月次減税の対象となります。居住者に対して支払う給与は源泉徴収の対象であり、出国後に支払う給与についても月次減税を実施します。
2.海外赴任が1年以上の場合 ~出国時~
1年以上の赴任の場合は所得税法上の非居住者となるため出国時に年末調整を行う必要があり、この年末調整にて年調減税を実施します。
*国内法人の役員として1年以上海外で勤務する場合、非居住者に区分されますが役員報酬から源泉徴収をする必要があります。ただし今回の定額減税の対象者は「令和6年分所得税の納税者である居住者」と定められているため、源泉徴収されていても定額減税の対象者には該当しません。
3.海外赴任が1年以上の場合 ~帰国時~
1年以上の海外赴任から帰国した場合、6月以降に帰国した従業員は月次減税の対象にはなりませんが、年末調整にて減税を実施します。
4.同一生計配偶者の判定
6月時点で非居住者であった同一生計配偶者が12月31日時点では居住者となる場合、月次減税の対象にはなりませんが年調減税の対象になります。
一方で月次減税の計算に含めていた同一生計配偶者が12月31日時点では非居住者となる場合、定額減税の対象から外れるため年末調整時に精算が必要となります。
今年は定額減税関連の留意点が多く存在します。再度要件を確認して年末調整に備えましょう。
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<税理士法人名南経営 国際部チャンネル>
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