2023年12月29日に中国会社法の改正が決定し、2024年7月1日から施行されることとなりました。
今回は従業員代表に関わる部分につき、説明させていただきます
1.董事会における従業員代表
68条
董事会は3人以上により構成され、従業員代表をメンバーとすることができる。従業員が300人以上の有限責任公司の場合、法に基づき、監事会を設置し、かつ従業員代表を監事会のメンバーとしている場合を除き、従業員代表を董事会のメンバーとすべき。董事会メンバーとなる従業員代表は従業員代表大会、従業員大会あるいはその他民主選挙により選定される。
→ 従業員300名以上の場合は、従業員代表が監事会メンバーとなっている場合を除き、董事会メンバーに従業員代表を加える必要がある。
2.監査委員会
69条
有限責任公司は定款の規定に基づき、董事会の中に董事から構成される監査委員会を設置することができ、監査委員会は監事会の職責を履行し、監事会あるいは監事を設定しなくてよい。董事会メンバーである従業員代表は監査委員会のメンバーとなることができる。
→ 監査委員会を設定する場合は、監事会あるいは監事を設ける必要はなし。従業員代表は監査委員会のメンバーとなることが「できる」のであって、必須ではない。
3.監事会における従業員代表
76条
有限責任公司は69条(監査委員会)83条(監事不設置)の規定を除き、監事会を設置する。
監事会は3名以上から構成され、監事会メンバーは出資者代表と従業員代表とすべきで、従業員代表は1/3を下回ってはならない。監事会メンバーとなる従業員代表は従業員代表大会、従業員大会あるいはその他民主選挙により選定される。
→ 監事会は董事会とは異なり、従業員数に関わらず、従業員代表を監事会メンバーに加える必要がある。
4.一名監事、監事会不設置
83条
規模が小さい、或いは出資者の少ない有限責任公司は監事会を設置せず、1名監事とすることができる。全出資者の一致決議により、監事を設置しないこともできる。
→ 一定の要件を設けた上で、一名監事及び監事会不設置を認めている。
上記のとおり、董事会に従業員代表を加えるのは、従業員300名以上の法人となるが、監事は監事会をもうけた場合は、従業員代表をメンバーとする必要がある。
どのような従業員代表が選出されるかにもよるが、監事の業務として、78条に
- 会社の財務を検査する
- 董事、高級管理職の業務に対して監督を行い、法律、行政法規、会社定款又は株主の決議に違反した董事、高級管理職について解任の提案を提出する
上記規定が設けられている。
財務の検査及び董事・監事の解任決議の提案ができるという権限は大きいので、従業員代表を董事会メンバーもしくは監事会メンバーとするかは慎重に判断する必要がある。
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