令和5年8月に各省庁より令和6年度税制改正要望が公表されました。今後これらの内容について審議が行われ、12月に税制改正大綱の閣議決定、翌年3月に法案成立、4月から新税制が施行されるという流れが一般的です。
今回は税制改正要望のうち国際課税関係のものをご紹介したいと思います。
1.経済のデジタル化等に対応した新たな国際課税制度への対応
2021年10月のOECD/G20において経済のデジタル化に伴う国際課税への対応について合意がなされ、こちらは第1の柱「市場国への新たな課税権の配分」と第2の柱「グローバル・ミニマム課税」という2つの柱からなっています。
2023年後半公表予定の多数国間条約等の規定を基に、市場国への新たな課税権の配分について国内法制化が行われる際には、対象企業に対する過度な事務負担の防止及び課税のあり方等に検討することとしています。
また、令和5年度税制改正において一部法制化されたグローバル・ミニマム課税について、令和6年度税制改正において更なる法制化が見込まれており、対象企業に過度な事務負担が生じないよう検討することとしています。
※経済産業省 経済産業省要望【概要】43ページより
2.外国子会社合算税制の見直し
令和6年度税制改正において見込まれるグローバル・ミニマム課税の更なる法制化を踏まえ、外国子会社合算税制の更なる簡素化により企業の事務負担を軽減させることとしています。細かい内容としては、確認対象企業の絞り込み・簡素化、経済活動基準の一部簡素化等が挙げられています。
3.国境を越えたサービスの提供に係る消費課税のあり方の見直し
デジタルサービス市場の拡大により、プラットフォームを介して国内外から多くの事業者が市場に参入しています。
中には国内に拠点を持たない国外事業者が数多く存在しており、国内外事業者間の課税の公平性や競争条件の中立性確保の観点から、国境を越えたデジタルサービスに対する課税のあり方について検討するものとしています。
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<税理士法人名南経営 国際部チャンネル>
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