中国現地法人は12月決算であり、間もなく年度監査報告書の完成となる時期です。お客様から、この時期になるといただくご相談が中国現地法人からの配当を受けるまでの流れとなります。
今回はこちらを取り上げたいと思います。
- 配当可能限度額
貸借対照表の未処分利益となります。なお、その際、利益剰余金が正しく積立処理をされていることが前提となります。過去の利益剰余金の積立処理が適正に行われていない場合は、修正が求められる可能性があります。 - 時期
上記1のとおり、配当可能限度額が貸借対照表の未処分利益であるため、その根拠資料として、直近年度の年度監査報告書を用います。したがって、毎年年度監査報告書が完成した後に、配当に関する手続きが進められることとなります。 - 配当の金額決定
配当可能限度額の範囲内であれば、自由に決定いただくことが可能です。なお配当後、現地法人が資金不足となってしまった場合、増資・外債手続きのいずれかでしか資金投入できないため、現地法人の資金繰りにはご留意ください。 - 配当決議の作成
現地法人の定款において、配当の決定を行うのが、董事会もしくは株主会のいずれかと定められています。したがって、現地法人の定款を確認いただき、董事会決議もしくは株主決議を作成します。 - 税務局での源泉納付
配当決議を提示し、源泉納付を行います。日本法人に対する配当の場合、源泉税率10%となります。 - 金融機関での送金
金融機関に、監査報告書・配当決議・上記4の納税記録を持参し、配当総額から上記4で源泉納付した金額を控除した金額につき、送金手続きを行います。
なお、配当が直近年度の利益を超えるような場合(過去の年度の利益も合わせて配当を受ける場合)には、送金の際に、会計師の専用監査の提出を求められる場合もございます。そのような場合に備え、送金予定の金融機関に事前に相談されることをお勧めします。
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