【開催レポート①】GLASIAOUSコンソーシアム情報交換会 「これから求められるDXと高付加価値サービスとは」
2021年7月15日にGLASIAOUSコンソーシアム会員および有志企業による情報交換会「これから求められるDXと高付加価値サービスとは」を開催いたしました。本イベントでは、With/Afterコロナという大きな転換期において更に注目度が高まるDX(デジタルトランスフォーメーション)に焦点を当て、日本マイクロソフトより「DXとは何か」について社内での取組みを例に語っていただき、会計事務所様・税理士事務所様を中心に「会計業務におけるDXとは」「今後、会計業界に求められるものは何か」について討議を実施。最後に「GLASIAOUSで実現するDX」について講演いたしました。
当日の講義・討議内容について、3部に分けてご紹介いたします。第1部となる本稿では、GLASIAOUSコンソーシアム賛助会員の日本マイクロソフトによる講演「これから求められるDXとめざすべき働き方とはーマイクロソフトの変革の10年ー」について、お伝えいたします。
情報交換会「これから求められるDXと高付加価値サービスとは」
第1部「これから求められるDXとめざすべき働き方とは」
(講演:日本マイクロソフト㈱ 川岡氏)
◆“DX”とは何か?
経済産業省が2018年に発表したDXレポート第1報では、「25年の崖」に対応するべく、古い「情報システムを刷新する」という定義で使われている。ところが、2020年に発表された第2報では、ITやデジタルの力を使って「素早く変化し続ける能力を身に着ける」という定義へと変化しており、「ITシステムの更新」から「企業変革」へと問題が変化している。
◆変化し続けるマイクロソフト
マイクロソフトは変化し続ける会社であり、2000年代の初めと今では収益構造、製品ポートフォリオ、戦略、経営者まで全く違う会社に生まれ変わっている。技術やビジネスモデル、収益構造が良いものはすぐに広がり、淘汰されていくという変化の激しいIT業界で常に成長し続け、社員一人当たりの売上も増加しているマイクロソフトが実践してきた「人を増やさずに結果をだす(売上を上げる)」ための取り組みは以下のとおりである。
◆「価値あることを早く決め、早くやる」
これがDXに大きく関わってくる部分であるが、マイクロソフトでは組織マネジメントにおいて「価値あることを早く決め、早くやる」ことを追い求めており、これを繰り返すことが競争力の源泉になる。具体的には「価値あることに集中するために、仕事を減らす」ことを指す。マイクロソフトでは、2011年に事務所を移転した際、297の業務を減らすもしくはアウトソースし、更にそこから10年で1,312もの業務を削減。本当に価値のある仕事をするには、社員が本当にやるべき仕事であるかを見極め、やめるもしくはアウトソースすることが重要である。マイクロソフトでは、働き方改革ではなく「変化に対応できる企業」を目指した。これが、DX(デジタルトランスフォーメーション)つまり変化し続けられる能力を持つことである。
◆「いつでも誰とでもどこでもやる」
上記の「価値あることを早く決め、早くやる」こと実践する際、これを「いつでもだれとでもどこでもやる」ことが重要である。マイクロソフトでは、仕事が複雑化する中で、難しい業務を一人でこなすのではなく、チームでやるという組織構造を作っている。早く決めるために、データを活用している(=データドリブン)。現在の情報をすぐ見られる状態にし、そのデータを蓄積・分析し、洞察を求めて、仮説を立て、実行することを社員で実践している。
◆価値観の実践
上記で述べていたことを定着させるために重要なことは以下の3点である。
① 業務の整理整頓“標準化”&“電子化”
・仕事を減らす、無くす
・電子化の先に“DX”がある
② 圧倒的に“便利”で“安心安全”な環境整備
・“便利”でなければ始まらない
・“安心安全”ではなければ続けたくない
③ 変えるのは“意識”ではなく“行動”
・“納得を得る“のではなく
・“体験を促す”ことに集中
マイクロソフトでは、上記の実践に加え、顧客の毎月の売り上げをタイムリーに把握するシステムやAIがメールの内容を判断し、未処理のタスクをアラートする機能などをフルに活用しながら、変化に対応できる企業を目指し、変革を続けている。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ビジネスエンジニアリングという一企業としても、自社の状況を顧みながら、大変参考になる内容でした。本稿をご覧になった方にも有用な情報となりましたら幸いです。
次回は、「DXがもたらす業務効率化と高付加価値サービスとは」について、会計事務所様・税理士事務所様と行った討議内容をお伝えいたします。
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