今回は、脱税、節税、租税回避の違いについてお話したいと思います。
カンボジアでは、税金の支払金額をできるだけ下げようと取り組まれる企業が多くいますが、
その行為が「脱税」になってしまうか、「節税」になるのか、「租税回避」になるのか、
それぞれによって、企業のリスクも異なってきます。
「脱税」とは、課税される要件があるにも関わらず、これを意図的に隠して、課税を不法に免れようとする行為です。
例えば、売上があるにも関わらず、それを申告しないで売上にかかる税金を申告・支払しない、という行為は脱税になります。
「節税」とは、税法が予定している範囲で税負担を減少しようという行為のことを言います。
例えば、経費を適切に計上して課税を圧縮したり、税額控除を利用して削減したりすることなどの行為が節税になります。
「租税回避」とは、税法が想定していない形式で税負担を減少させようとする行為です。
課税要件をくぐり抜けるためだけに、通常ではありえない不自然、不合理な取引形態を採用することを言い、
法の抜け穴を突いて、課税を逃れようとする行為と言えます。
カンボジアは、法整備が不十分であるために、日本と比べて、租税回避というのは少し難しいのが印象です。
理由は、色々な解釈ができることを理由に行ったことが、後々、税務調査での追徴課税対象になってしまったり、
設立当初の法律上では申告・納税の対象ではなかったのに、後に法改正があったときに、企業がそれに気づかずに対処に遅れたり、
過去の遡及分を求められたりする可能性もあります。
今、皆様の企業での税務申告対応がどのような対応をされているのか、今一度、ご自身でも確認されることが好ましいです。
今回は、以上となります。
何かご不明な点等ございましたら、お気軽にご連絡いただければと存じます。