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クロスボーダーM&Aの実務 (7)-損益計算書項目(2)売上高分析の留意点
コラム
2021.05.12
クロスボーダーM&Aの実務 (7)-損益計算書項目(2)売上高分析の留意点

 前回(※)は、日系企業によるクロスボーダーM&Aにおける損益計算項目の分析にあたって必要となる、「ビジネスモデルの理解」に係る留意点について解説した。

第7回から第9回までは損益計算書の分析にあたって留意する事項について段階損益の構成毎に解説を行う。本稿では損益計算書項目の中で最も重要な項目のひとつである売上高の分析について解説を行う。

 なお、本連載コンテンツは、CaN International Groupが執筆した書籍「アジア進出企業の会計・税務 事業展開における実務マニュアル(清文社)」から抜粋、編集している。

※本稿末尾の「関連記事」参照

売上高分析の留意点

 売上高は収益獲得能力を示す最も基本的な項目である。対象会社が採用する会計上の収益認識基準を理解し、さまざまな観点から分析することによって正常収益力を把握することが重要である。

(1) 収益認識基準の把握

 重要な取引分類ごとに収益認識基準を確認する。物品販売取引については、契約条件を確認し、物品販売に伴うリスクと経済価値が移転しているかといった観点から、会計上、収益が実現しているかについて検討が必要である。特に、期末日前後の取引については異常な取引の増減がないかに留意する。

 製品やサービス、取引形態別に収益認識方法を確認し、現地会計基準に従った取扱いであるか、実態に即した収益認識方法であるかといった観点から検討を行う。また、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」及び自社の連結グループ会計方針に照らして、買収後に対象会社の収益認識方法を変更する必要がないかといった観点からも検討が必要である。

(2) 主要顧客との契約内容

 主要顧客との取引条件について、債権回収期間、返品条項、保証義務やチェンジ・オブ・コントロール条項の有無などについて検討する。なお、チェンジ・オブ・コントロール条項の有無にかかわらず、重要な顧客についてはM&A実行後の取引継続可否について検討を行う。

(3) 各種セグメント別分析

 損益構造の分析には、製品別、地域別、顧客別など、対象会社の業績・実態を最もよく反映したセグメントで売上高を把握し、同時に粗利率の分析を行うことが望ましい。複数期間を対象とした増減分析では、マーケット規模とシェア、販売数量と単価に分解して、変動の主要因と、その背景を理解することが重要である。

 新興国企業においては、経営管理体制が不十分であるためにセグメント別の情報が整備されていないことも多い。このような場合、対象会社の管理資料をもとにそれぞれのセグメント区分に係る収益や直接原価を可能な限り把握し、間接費について合理的な基準をもとに按分するなどして概算値を算出するといった対応が必要となることもある。

 

★関連記事★

前回の記事はこちら:クロスボーダーM&Aの実務 (6)-損益計算書項目 (1)ビジネスモデルの理解

続きはこちら   :クロスボーダーM&Aの実務 (8)-損益計算書項目 (3)売上原価分析の留意点


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