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第一部「会計士からみたグローバル人材戦略」9/11-海外ビジネスにおける『人×仕組』の育て方【 開催リポート1】
コラム ニュース
2019.10.15
第一部「会計士からみたグローバル人材戦略」9/11-海外ビジネスにおける『人×仕組』の育て方【 開催リポート1】

2019年9月11日(水)に開催した「海外ビジネスにおける『人×仕組』の育て方」の開催レポート第1弾です。第一部では、人事部とは少し違った視点から、これからのグローバル市場で戦っていくための組織づくり・その中における人の役割について、太陽グラントソントンの美谷氏にご講演いただきました。

会計士からみたグローバル人材戦略

日本の長時間労働文化を正すため、政府・各社の経営層は、労働時間をはじめとする定量的な規制に乗り出した。しかし、従来通りの効率で、働く時間だけを減らせば、生産量は減ってしまう。日本の企業が海外市場で勝ち残るには、時代にあわせた人材の活かし方がカギとなる。

「合理的な組織」が変化している

かつて日本は「物」に対する付加価値で経済発展を実現した。ところが昨今は「事」に対する付加価値が重視される時代になってきている。
「物」に対する付加価値を生み出すには、トップダウンの指示系統が定まった組織構造が合理的だったが、
「事」に対する付加価値が意味を持つ時代には「想像力、独創性、完成、閃きといったものをうまく引き出す」組織作りが求められるのだ。
美谷氏は「N対Nが関わり合い、様々な人が意見を出し合うことが、1つの想像力や独創性を生み出す重要なポイントになる」と述べた上で、
管理者・クリエイター・オペレーターからなる組織を提案する。それぞれの役割は下記の通りである。

  • 管理職:目標へのコミット、リーダーシップの発揮
  • クリエイター:創造性・思考力の発揮
  • オペレーター:正確さ・効率さの支え

管理職の最重要ミッションは「目標へのコミットメント」だ。
どれだけ創造的なアイデアがあろうとも、人手や資金が足りずに目標達成が厳しいという状況がある。
こうした際に「不足する部分を一生懸命埋めて、最終的に目標を達成することを約束することが(管理者の)役割であり、リーダーシップです」と美谷氏は説明する。

クリエイター・オペレーターの仕事については、まずは役割の区別をつけることが重要なスタートになる。
クリエイターには目標を達成するように創造力を発揮することが求められる。
オペレーターの業務については、定期的・効率的で生産性が高くなるような標準化が望ましい。
例えば職人の世界で、弟子は土をこねて、師匠がろくろを回して茶碗をつくる。オペレーターである弟子はいつも同じ品質になるように、かつ効率的に土をこね、クリエイターである師匠が独創性を発揮する。このような切り分けが、この組織づくりのスタートだ。

 

日本的組織の課題

上記を踏まえ、今の日本企業における課題は何か。美谷氏は下記の4点を指摘する。

  1. 管理職が多すぎる

年功序列の縦型組織は、「経験年数が長い人の方が短い人よりも質の高いアウトプットを出せる」ことを前提にしている。「30年選手の人が1年生よりもクリエイティブかというと、必ずしもそうではない。年次に比例して生み出す付加価値が上がるというのは、時代にそぐわない考え方になりつつある」と美谷氏は指摘する。

  1. クリエイターがクリエイトしない

分析の目的は、それを受けてのアクションを決めることにある。しかしこの点が「感覚として抜け落ちてしまっている人が多い。『今どうか』ばかりでなく、『どうしたらよいのか・どうすべきなのか』を真剣に考えていただきたい」と美谷氏は訴える。
この思考習慣を身に着けるためのカギが「好奇心」「問題意識」「論理思考力(ロジック)」「考えることのON/OFF」だ。

(1)「好奇心」(2)「問題意識」

世の中の動きに関心を持つことが全ての始まりになる。さらに問題意識を持つということは、(例えばメディアの報道をそのまま受け入れるのではなく)『なぜだろうか、どうすればよいのだろうか』『これはおかしいのではないか』と考えてみることである。

(3)「論理思考力(ロジック)」

『たくさん勉強した。だからテストで50点しか取れなかった』に対して違和感をもつことがロジカルシンキングの基本だと美谷氏は話す。ここで、物事を考える時のスタートであるAがどういうものなのか、初めに定義づけておく必要がある。「ある時中国のカフェ市場を調べてほしいと依頼され、『カフェ市場』の定義を十分にしないままデータをとってきたところ、依頼主が、例えばケーキ屋もコーヒーを出す、もしかするとパン屋もコーヒーを出してカフェのような営業をしているかもしれないと言い出したことがある。」と美谷氏は振り返る。

(4)「考えることのON/OFF」

完全にOFFになる時間を作ることを美谷氏は勧める。ONにするのも9時から17時のデスクに座っている時間に限る必要はない。「歩いている間は一番思考力が働くと言われており、科学的にも理にかなっている。通勤中もせめて今日のToDoくらいは考えてみてほしい。」と美谷氏は添える。

  1. オペレーター業務の標準化

標準化された業務は、誰がやっても同じ品質のアウトプットが出せて生産効率が高い。また、問題が起きたときにどこが原因なのか特定できるという効果を持つ。これを実現するためにシステム導入を検討する企業も多いが「システム化の前には、必ず業務プロセスを整理してください」と美谷氏は話す。

  1. 人事評価

    (1) 過程重視の風潮
    管理職のミッションは目標へのコミットであるのに対し、日本の評価制度は結果より過程を重視する傾向が強い。バランスをみつつ、結果に今より大きな比重を置いてみることは検討に値する。

    (2)クリエイターの横の貢献
    自身の売上にならない製品・サービスを顧客に紹介したがらない営業マンもいる。名刺交換ソフトなど営業情報を横展開する試みはあるものの、現場で実行していくのは難しい。そこに人事評価上のインセンティブをつけることで横展開を活性化させ、N対Nのコミュニケーションを推進することを美谷氏は提案する。

 

グローバルに展開するなら

海外に進出している企業だからこそ考えなければならないこともある。

  1. 海外スタッフとの間合いを知る

「現地で雇ったスタッフが定着しない」と嘆く日本企業は少なくない。美谷氏は自らの駐在経験を振り返り、彼らが仕事を辞めるのは「この会社では自分はもう成長できない」と感じた時だと話す。彼らは「この会社で働くことで自分がどうなれるか」を常に考えている。同時に、彼らにとって評価の指標はすなわち給与である。会社が何を目指してその国に出たのか、どうしてそれを目指すのか、採用しようとするその人に何を期待しているかを示し、給与に反映する形で評価を行うことが求められる。

  1. 本社・海外現法の距離をつめる

不正の根本的な原因はコミュニケーション不足にあると美谷氏は指摘する。言葉の壁はあれど、本社が何を考えているのか、この会社はどういう会社なのかということに現地人スタッフは興味を持っている。その思いに誠意をもって接することが、彼らのモチベーションを含めて重要なのである。

  1. 駐在員リスクを考える

不正は現地人スタッフによるものだと思い込んでいないだろうか。美谷氏によれば、ストレスの中で日本人駐在員が道を誤るケースは少なくないのだという。日本人駐在員にまで関心を払ってやっと、現地法人の人を本社から管理していると言えよう。

  1. グローバル人材の素養「4S」

  • Skill:語学力、現地への知識
  • Smile:現地人とよい関係を築くためのコミュニケーションの基本
  • Speed:スピード感を持った仕事
  • Sense:相手との距離感

美谷氏が特に強調するのは4つ目の「Sense」だ。自分が日本の価値観・文化の影響を受けて話していることを、相手は相手の国の価値観・文化に照らし合わせて受け止める。相手の受け止め方を知り、思った通りに伝わるように話をすることは、必ずしも容易ではないがグローバル人材には欠かせない。この意味でのSenseにより相手との距離離間を知り、作ることの大切さを訴え、講演を締めくくった。

--------------------講師プロフィール--------------------
太陽グラントソントン パートナー・公認会計士 
美谷昇一郎 氏

1991年公認会計士(旧制度)第2次試験合格。1993年大手銀行入行。
北京、広州、上海に通算12年駐在。
2006年より大手コンサルティングファームにて日本企業の海外進出支援や進出企業の経営管理コンサルティング、市場調査などを手掛ける。
11年7月より現職。

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続きはこちら⇒第二部:4の事例を紹介 "人財"を活かす海外子会社マネジメント

(執筆:ビジネスエンジニアリング株式会社)


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