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フィリピンの外国投資誘致政策-PEZAについて

2017.12.28
株式会社東京コンサルティングファーム

1.フィリピンの外国投資誘致政策-PEZAについて                                                                                                                                                                    

 

平素よりご愛読いただきありがとうございます。弊社マニラ支店にて設立法務を担当している伊藤と申します。

今回は、フィリピンの投資誘致政策であるPEZAの概要、および一例としてPEZA製造業の登録について記載いたします。

 

2.PEZAの概要

日系企業がフィリピンに進出する際に、検討されるのがPEZAPhilippines Economic Zone Authority)による優遇税制の利用であり、投資誘致政策として知られております。フィリピン政府では、フィリピン国内の資本が十分ではないため、外国投資に対する期待が高く、外資誘致を積極的に行っています。

 

PEZAはフィリピン貿易産業省(DTI)に属しており、1995年に制定された特別経済区法に基づいて設立された機関です。PEZAが定める工業団地内に設立、PEZAが承認した事業を行う企業に対して、インセンティブの付与が認められています。とりわけ、フィリピンからの輸出による外貨の獲得や雇用を創出する輸出型企業に対して、以下のようなインセンティブが与えられます。

 

主に以下の税制優遇措置については、製造業及びITサービス業、かつ売上の70%が海外売上、つまりフィリピン国外へ輸出しているPEZA企業に対して付与される可能性があります。

 

  • 法人所得税の免除

 操業開始後4年から最長8年間、通常課税所得に対する法人所得税30%が免除(Income Tax Holiday:通称ITH)となります。

  • 現地購入品(通信・電力・水道代含む)の付加価値税(Value Added Tax:通称VAT)が免除となります。
  • 資本財・原材料・補修材料の輸入関税、並びに固定資産税を除く地方税が免税となります。

 

その他税務上のインセンティブだけではなく、PEZA企業における駐在員にはPEZAビザの発行が可能であること、また建設許可取得も地方自治体に申請することなく、輸出加工区(エコゾーン)にあるPEZA管理事務局へ申請すれば済むといった優遇が。

 

また、PEZA企業はBIR(税務署)から輸出入証明書(ICCImporter Clearance Certificate)の取得が免除されているため、Non-PEZA企業に比べて輸出入ライセンスの取得プロセスが短縮されるのも特徴です。

 

3.PEZA製造業の登録フロー

PEZAには主に製造業、物流業、ITといった登録形態がございます。

本稿ではPEZA製造業を一例としてご説明させていただきます。

 

以下がPEZA製造業の登録フローとなります。

 

PEZA製造業の登録、及びライセンス取得】

  • PEZA取締役会決議書(Board of Resolution)の取得    約1週間
  • PEZA登録書(PEZA Certificate)の取得        約23週間
  • 付加価値税0%証書(VAT Zero Rated Certificate)の取得     約12週間
  • 所得税免税証書(Certificate of Income Tax Holiday)の取得   約12週間
  • 環境適合証明書(Environment Compliance Certificate)の取得※ 約45か月
  • 輸出入ライセンス(Importation License)の取得      約2週間
  • ラグナ湖開発公社(Laguna Lake Development Authority)の認可取得※    約67か月
  • 運営開始の承認書(Notice of Approval of Start of Commercial Operation)の取得      約

 

※該当企業のみ

 

PEZA取締役会決議書の取得

SEC(証券取引委員会)にて会社登記を行う前にPEZA登録に必要な書類PEZAに提出し、月に2回行われるPEZA取締役会にて承認をもらい、取締役会決議書を取得します。取締役会から1週間ほどで決議書の発行が行われます。また、SEC登録後に取締役会決議書を取得することも可能ではありますが、PEZA当局から法人税免除の優遇措置が受けられなくなる可能性がございますので、注意ください。

 

必要書類は下記となります。

・申請書

・定款と付属定款のドラフト

 

PEZA登録書の取得

BIR(内国歳入庁)での登録後に発行されるCOR(Certificate of Registration)の取得後、必要書類PEZAに提出及びPEZA登録書の申請を行います。登録書の取得までには通常23週間要します。PEZA企業の場合、地方政府の登録は必要ないのですが、IT企業の場合、PEZA登録を行う市によっては地方政府の登録を免除されていないところもございます。この場合は、一般企業と同様にバランガイクリアランス及び市役所が発行する営業許可書を取得する必要があります。

 

必要書類は下記になります。

・開発者からの認可書(Letter of No Objection from Developer

・賃貸人からの認可書(Letter of No Objection from Lessor

・賃貸契約書(Lease Contract

・公証済確約書(Notarized Undertaking

SEC登録書のコピー(Copy of SEC Registration

BIR登録書のコピー(Copy of BIR Registration

・登録料支払の証明書(Proof of filing fee

 

付加価値税0%証書の取得

PEZA登録書を取得後に、付加価値税0%証書の取得が可能になります。申請から発行までには通常12週間かかります。当該証書の取得後、PEZAに承認された事業活動にかかる付加価値税が0%になります。

 

法人所得税証書(ITH)の取得

上記の付加価値税0%証書と同様に、申請から発効までに通常12週間かかります。また、付加価値税0%証書と同時並行で取得手続きを進めることが可能です。

 

環境適合証明書(ECCEnvironmental Compliance Certificate)の取得

PEZA製造業製品の製造を行う上で、使用する原材料や種類、量などによって環境適合証明書の取得が必要か、または対象外であることの証明書の取得になるかどうかはPEZAによって判断されます。

 

ECC申請書および必要書類をPEZAに提出してからレビューしてもらいます。その後、PEZAが必要と判断した際には工場の視察が行われます。書類レビューの結果を受けて、追加書類の提出及び修正手続きを経てDENR(自然環境部:Department of Environment and Natural Resource)への承認書発行となります。

 

DENRへの承認書発行後、当局へ必要書類の、申請料の支払いを行います。その後、DENRに書類のレビューをしてもらい、Memorandum of Agreementが発行されるので代表者のサイン及び書類提出を経てECC取得となります。

 

必要書類は下記になります。

ECC申請書

・事業目的(原材料や製造に使用する機器について説明)

・推定事業規模(事業や製造物の大きさ)

・事業に必要な資金所有の証明書

・工場図面(A3)や下水道計画図等

※本ニュースレターに記載しきれないほど、多くの必要書類がございますので本稿では割愛させていただきます。

 

輸出入ライセンスの取得

製造に必要な原材料や機械をフィリピンに輸入、製造した商品を海外に輸出する際に必要となります。通常はBIR(税務署)から証明書を取得後にBOC(関税局)においても証明書を取得する必要がありますが、PEZA企業の場合はBIRの手続きが免除されております。

 

ラグナ湖開発公社の認可取得

マニラの南東にあるラグナ湖周辺に工場を設立する場合は、上記のECCの取得に加え、ラグナ湖開発公社の認可(LLDAクリアランス)の取得が必要となります。

 

LLDAの申請書、必要書類PEZAに提出し、書類のレビューをもらいます。PEZAの判断によっては、工場の視察を行う事もございます。提出済み書類の修正、申請料金の支払いを以てしてPEZA当局からLLDAへの承認書が発行されます。

 

LLDA当局にて申請書、及びPEZAからの承認書とECC提出を行います。手数料の支払い、及び書類のレビューを通じてLLDAクリアランスの発行がなされます。

 

必要書類は下記になります。

・公証済みの証明書

・事業説明書

ECCまたはCNCにコピー

・定款および付属定款

・環境への影響計画書

・廃棄計画書

・敷地開発計画、工場図面(両方A3

・大気汚染防止計画図面(A3

 

運営開始の承認書(Notice of Approval of Start of Commercial Operation取得

事業が開始されてから、必要書類をPEZAに提出して当該承認書の申請手続きを行います。申請から発行まで2週間ほどかかります。留意点としては、業者に委託してオフィスの内装工事を行われている場合は、内装業者を通じてPEZAから占有許可書を取得するまで当該承認書の申請ができません。なお、オペレーションが開始してから1週間以内に当該承認書の申請が行われなければなりません。

 

上記記載の業務はいずれも弊社でもサポート可能となります。

ご興味がございましたらお気軽にご連絡ください。

今回は「フィリピンの外国投資誘致政策-PEZAについて」に関して記載させていただきました。より詳しい情報をお求めの場合やご相談等ございましたらお気軽にお問合せいただければと思います。また、今後も私の回では設立・法務について記載予定です。ぜひご覧いただけますと幸いです。

お問い合わせフォーム

https://mobile-made2.sakura.ne.jp/kuno-cpa.co.jp/

以上

 

 東京コンサルティングファーム・フィリピン支店

伊藤 澄高

本記事の執筆者
伊藤 澄高
伊藤 澄高

「与えたものが得たもの 」という東京コンサルティングファームの理念に共感、「困っている人を助けたい!」という強い思いがあり入社を決意。
東京コンサルティングファームに入社後、国際事業部を経て、フィリピン支店に赴任。フィリピンでは日経企業の海外進出(設立など)に従事。
「日経企業が海外で成功し、社会に大きな価値を提供、発展する」ことを最大のミッションとし、日々の仕事で専門力を高める。

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