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第2回:タイと日本の経理の違い

2017.12.13
永峰三島会計事務所

第2回:タイと日本の経理の違い

タイの経理は日本と比べて遅い!?

 タイの日系企業では12月を決算期としている会社も多く、決算を前に控えたこの時期に日本親会社から経理部の方がタイ子会社の経理状況を確認するために出張にこられる事が多いシーズンです。

 弊事務所ではクライアントのタイ人経理スタッフとの間に入り、日本からの出張者の支援をする事も多いのですが、日本の経理部の方は多くの方がタイ側経理の管理資料の少なさ、月次財務諸表作成の遅さを問題視して、改善するようにタイ側の経理スタッフに指導をしていきます。

 「タイ人の経理はレベルが低くてダメだ!」そんなような事を言われる日本からの出張者の方もいらっしゃるのですが、タイ側の経理の業務内容や実施タイミングを理解されずに一方的にタイ人経理スタッフを叱咤するのは、タイ人経理スタッフの方にとって酷であるように思われます。

タイでは毎月1週目に消費税と源泉所得税の申告をしなければならない!

 タイと日本の経理の大きな違いは月次のVAT(消費税)申告、源泉所得税申告の重さとリスクの大きさにあります。

 日本側の月次の経理スケジュール感としては月の第一週目で先月の月次財務諸表を完成させ報告、二週目から各種の管理資料などの細かい資料作りに入ります。

 一方タイ側では月の第一週目では毎月翌7日が締め切りとなっている源泉所得税の申告を終わらせなければなりません。日本と異なり、法人に対する源泉所得税の範囲が非常に広く、取引先には源泉徴収証を発行しならないため非常に手間がかかります。それが終わりますと毎月翌15日が締め切りとなっているVATの申告書を取りまとめなければなりません。

 課税点にミスがないように要件を満たしたタックスインボイスを取りまとめ、ファイルし、集計した申告書を作成します。

 タイでは納税不足の加算税が本税の100%と日本に比べて非常に高く、源泉漏れ、VATの集計ミスなどが発覚した場合には非常に高額なペナルティーに結び付きやすいため、この月次の税務申告には深い注意を持って臨む必要があります。

 ローカルの大企業では、期限ギリギリまで誤りがないか、何重にもチェックを重ねている会社が多くあります。

 これらの月次の税務申告が終わりプレッシャーのかかる仕事が一息ついて、第3週目あたりからようやく月次の財務諸表の作成を始め、第4週目に入ると各種支払の準備、入金チェック、インボイスの発行、中小規模の会社では給与計算まで併せて実施しております。

 従って、月次財務諸表が出てくるのは翌月の後半、管理資料については必要最低限のもの以外は作成していない。そのような状況になってしまいます。

タイの経理スタッフは怠けてません! 

 月の前半は税務申告に集中しなければならないという状況はタイでは変えられませんので、日本親会社と同水準のタイミングの早い月次財務諸表作成、より細かい管理資料の作成を望むのであれば、人員の余剰覚悟で月初から財務諸表作成、管理資料の作成を担当する経理スタッフを採用する、もしくは月次の税務申告か財務諸表作成を会計事務所に外注するしかないように思われます。

 「御社のタイ人経理スタッフの方が怠けているという訳ではないんですよ。」そんな風にタイ人経理スタッフに代わり日本親会社経理部の方に弁明することが多くなると、季節感のない常夏のタイでも、ああ今年ももう年末かと感じてしまいます。

本記事の執筆者
山崎 宏史
山崎 宏史

永峰三島会計事務所バンコク事務所駐在員

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