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「これで解決!グローバル管理会計~グローバル経営の意思決定に必要な「多重帳簿」作成のススメ~」GLASIAOUS Next 2019【開催レポート6】

2019.04.16

6回に渡りお送りしてきたセミナーレポートですが、最終回は、グローバル経営の意思決定に必要なこれからの海外事業評価方法についての講演です。まさしくGLASIAOUS "Next" の締めくくりにふさわしい内容となりました。

 

セッション④ これで解決!グローバル管理会計~グローバル経営の意思決定に必要な「多重帳簿」作成のススメ~

多重帳簿、と聞いて、皆様はどのようなイメージを持たれるだろうか。
耳にした方の大半が、マイナスのイメージを持たれることが多いのではないかと思うが、本セミナーでは実にまっとうな「多重帳簿」の作成が推奨された。
海外進出を行う日本企業が、グローバルな視点をどのように設けるべきかを、自らも海外現地法人の副社長を十年務めた太陽グラントソントン美谷昇一郎氏が語った。 

◆会計の目的は一つではない

美谷氏が冒頭に語ったキーワードの一つが、「会計」には大きく分けて三種類あり、それぞれ目的が異なるという点である。

株主・投資家への報告を目的とする「財務会計」、課税所得計算の正確性を担保するための「税務会計」、そして自社の利益を最大化するために経営情報を可視化し、戦略を立案・実施するための「管理会計」だ。氏が語る「多重帳簿」とはこの三つを指す。前ふたつは制度会計だが、最後のひとつは管理会計だ。

管理会計とは業績評価会計であり、この作り方や評価を誤ると企業としての方向性を誤るだけでなく、社員のモチベーション低下を起こし、不正にもつながっていく。制度会計と管理会計はまったく別物であり、管理会計こそがグローバルな業績把握に必要だ」と美谷氏は語る。 

◆管理会計に求められるものは

海外拠点からの報告は、大抵が「財務会計」上の数字しか持っていないことが多い。
しかしこの数字を「管理会計」の視点から事業部別に業績を分析してみると、財務会計の数値とはまったく異なった結果が見えてくることがある。
また、移転価格税制への対応のために子会社が利益率を調整された結果、業績が伸びていないように見えてしまうケースも散見される。これでは一向に正当な事業評価は行えない。

管理会計に必要なものは、「管理、把握するべき(したい)事項はなにか」を定めることであり、そのためにも「管理を人任せにせず、要管理事項に関する社内データが正確に取れる仕組みづくり」が必須だと氏は語る。 

ITの側面から求められるもの

「一つのFACTを目的に応じて組み替えられる仕組みとして、システムが貢献できる部分も大きい」。美谷氏の講演を受け、東洋ビジネスエンジニアリング(以下B-EN-G)でシステムの開発を行っている関口芳直が続けた。

一例として、複数基準の仕訳データを基準別に、「箱」に入れて管理し、目的に応じて出力元(箱)を分けると言った対応を例に挙げ、目的に即した会計数字を適時に取れる仕組みを紹介した。
また、こういった目的以外にも、そもそも会計データの正確性を担保するためにも人手を介さず会計情報をシステムで管理すべきだと語る。 

◆グローバル会計の未来

昨今到来しているAIブームにも影響され、会計情報が人手を介さず記帳、管理される時代が遠からずくるだろう。
しかしながらその会計情報をどのような視点で管理、分析するかを決定する役割が変わることはない。ITはあくまでもツールである。

会場につめかけた多くの参加者も、海外拠点を正当に評価し、グループ全体として利益を最大化していくために、両氏が語った内容から少なからずヒントを見出したに違いない。

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