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トピック

テクノロジーとビジネストランスフォーメーション - 第2号

2018.09.20
太陽グラントソントン

ビジネストランスフォーメーションとは?

アメリカの代表的な株価指数であるSP500を構成する大企業の75%が今後15年間で入れ替わるといわれている熾烈な企業競争環境の中で、会社のビジネスの舵を取っている経営層にとって大切なキーワードの一つが『ビジネストランスフォーメーション』です。

ではビジネストランスフォーメーションとは何でしょうか?ビジストランスフォーメーションとは皆様がよくイメージする基本的な業務改善である現状/既存の課題に対しての改善では終わりません。未来の企業競争優位性を持つための戦略策定(ロードマップ)とそのあるべき姿へ向けて経営層だけでなく会社全体の従業員をも巻き込んだオペレーションモデル改革とチェンジマネジメント(意織変革)です。

では以下の注視すべき3つの項目に分けてビジネストランスフォーメーションを説明いたします。

現状オペレーション改革

1の項目は現状におけるオペレーション改革です。現状で行っている業務をより1.)良く, 2.)生産性を上げ, 3.)低コストに, 4.)早く正確に改善する必要があります。

ほとんどの企業がITやデジタルを使いこの現状オペレーション改革を行おうとしております。しかしながら、新しい解決策又は活用方法が分からず、十分な理解がない状態で既存の古い体制やインフラストラクチャーにそのまま適用しようとしてしまうと、オペレーション改革が難航してしまいます。

難航してしまう原因は、新しい解決策が可能とするうたい文句やビジネスインパクトと改革効果に注視し、今まで培ってきた企業文化、方針や実際に業務を行っている従業員の慣れ親しんだ仕事環境に対して真っ向から反発してしまうからです。

業績(KPIKSF)を求める業務改善はとても大切ですが、まずは今まで培った会社資源を十分に考慮しながら、木を見て森を見ずということにならないよう全体的な視点を持ちつつ、ITやデジタルを適材適所に利用・活用することが、現状オペレーション改革の大切な第一歩となります。

未来オペレーションモデル変革

2の項目は未来に対してのオペレーションモデル変革です。この工程はビジネストランスフォーメーションにおける最もコアな変革となります。変革に伴い、現状で行っているオペレーションモデルを根本的に変える活動も含まれることになります。

ここで例を1つ挙げますと、タバコ世界最大手の1つであるフィリップ・モリス(Phillip Morris)は、未来に対する喫煙者の趣向/価値観の変化、規制や業界環境を受けて、主製品を既存の紙タバコ商品から電子タバコ商品への移行を行い、将来的には紙タバコからの完全撤退を目指しています。これらの変化・改革は将来における企業競争力強化を実現することができますが、既存の生産ラインやステークホルダー等の現在におけるオペレーションモデルやプロセスの変更を強制されてしまいます。その場合、既存資源・業務環境の考慮は、現状におけるオペレーション改革ほどに必要ありませんが、投資費用の削減や移行効率化のためには未来オペレーションモデルの構築に必要な最適なロードマップ策定とテクノロジーを筆頭とした新インフラストラクチャーの適用が重要な鍵となります。

企業において、従来の既存ビジネスの方向性に基づく現状オペレーション改革は元より、顧客にとってより良いサービスを提供するためのオペレーションモデル変革が重要になってきます。

戦略策定

第3の項目は戦略策定です。戦略策定は、ビジネストランスフォーメーションには勿論のこと、全てのビジネス活動において最重要企業活動です。先ほど挙げたフィリップモリスの紙タバコから電子タバコへ、アマゾンのEコマースからクラウドサービスへ、グーグルの広告サービスから自動運転技術へ等、戦略により会社の根本から改革を行います。戦略こそが改革の心臓であり、経営層から一従業員までの企業全体で改革を執行して初めて、然るべきビジネストランスフォーメーションが成し遂げることができます。

また、戦略の中で、バリューチェーンも意識する必要があります。現代において、1事業や1機能で活動しているところは少なく、ほとんどの企業はそれらが合わせた複合体として活動しており、一連の活動を通じて顧客に付加価値を提供しています。

 

バリューチェーンとは?

バリューチェーンとは世界的な経済学者であるマイケル・ポーター(Michael Porter)によって提唱された企業活動における上流から下流までの一連のサービス又は物の流れを結び付けて可視化し、付加価値創造企業の利益創造(マージン)と競争優位性の指針・分析をするビジネス手法を言います。企業分析を行う上で重要なフレームワークと一つとして確立されています。

バリューチェーンでは収益を生み出す企業活動のコア(i.e.実際の生産活動等)である主活動と収益を生み出さない購買・財務・人事・IT/インフラストラクチャーのサポート活動に分類して評価を行います。業種業界によってバリューチェーンの活動内容は多岐に亘りますが、企画から始まりサービス及び商品の最終目的地である顧客にて消費・利用されるまでの各企業活動が生み出す付加価値を測定・分析を行い、自社のバリューチェーンにおける役割を判断するともに、競合他社に対する競争優位性(競争戦略)の構築を推進していく必要があります。

大多数の企業がビジネストランスフォーメーションを行う際に、サポート活動や各企業活動のみに独立した改善策を求めますが、バリューチェーンを分析し様々な自社における各企業活動を一連の流れとして結びつけることにより、始めて企業は付加価値の創造が達成でき、成長できることを理解しなくてはなりません。

 

本記事の執筆者
鈴木衆也(すずきともや)
鈴木衆也(すずきともや)

日系大手製造業、米系コンサルティングを経て2017年に太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社に入社。現在は、業務改善コンサルティングに従事している。

Email: tomoya.suzuki@jp.gt.com

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